コールマン製火器の圧力ゲージ再び

前回作ったヤツを再量産

久しぶりにキャンプギアのネタです。

ガソリンや灯油等の液体燃料を使用したランタンやバーナーは、ポンピングという蓄圧作業が必要です。

蓄圧量は感覚で行いますが、この感覚ってヤツがダメなタイプ。

料理番組で「適量」とか「お好み」とか「少々」とかが嫌なの。

正確に何ピコグラムまでか言えや~!ヽ(`Д´#)ノ

コールマン286Aに圧力ゲージを自作した

ってなモンで数年前に圧力ゲージを自作して付けたんですよ。


しかし普段の使用頻度は少ないものの、確実に増殖しているガソリンランタンとバーナー。


つまりゲージの必要数が足りないんですよね。

でも全部同時に使うワケではないので、今まではゲージを付け変えて使ってました。


実は以前からこの「ゲージを売ってくれ」ってコメントが来ていました。

でも当時はもう作る気が無かったし、売るとなると色々面倒事もありそうなのでお断りしていたのです。

今回コメント頂いた方のタイミングもあり、絶対数が足りないので最後の制作をする気になったのですよ。


というワケで、ヤルか (* ̄- ̄)

品薄だとトンデモない価格で売られている事もあるコールマンの燃料キャップ。

今回はAmazonから1個990円で買えました。

失敗した時の予備も含めて5個注文。


圧力ゲージはSMC製のG33-3-01

この手の製品はマニアック過ぎてAmazonとか楽天には売ってません。

DIYの聖地”モノタロウ”で1445円(送料税別)でした。

大きさはΦ30(30mm)で燃料キャップよりちょっとデカイ程度。

圧力ゲージのレンジは0~0.3MPa。

必死にポンピングしても精々0.25MPa位なんで丁度いい範囲です。

完成品で売られているのは大抵1.0MPaでデカ過ぎだし、ゲージの径も大き過ぎなんで。


前回も書いたケド念のため再掲載。

ネジは埋込型口径R1/8。

ストレートタイプでピッチは1.0mmだそうです。


加工開始

某工場の機械でこっそり(笑)加工します。

流石の砂井さんでもボール盤なんて持ってねーですが、以前使わせてもらってたヤツと比べると随分とボロい年季が入ってますね。

(。´・ω・)ん?
よく見ると専用のバイスが無くて万力が乗ってるだけ。

盛大に嫌な予感がするわ~ (;´・ω・)


今回は燃料キャップが傷つかないようにゴム板を挟んでみる。

さっそくドリルでギュイーン。

アレ?(;´・ω・)

全然穴が開かないよ?


やっと開いた

前回は1秒くらいで開いたのに、今回は3分ほど掛かりました。

ドリルも大分腐っているようです。


どれどれ?(._.)

って、熱いんじゃゴラー!ヽ(`Д´#)ノ


張り切ってヤケドしたわ!

前回はアッと言う間に開いたから警戒してませんでしたが、今回は鈍らドリルで時間が掛かったので死ぬほど高温になっていたようです。


しかも盛大にズレたし (;´Д`)

コレで990円が1個ムダに散りました。

さようならキャップさん、君の事はヤケドが治るくらいまでは忘れない。

と思う。

ココは一度戦略的撤退です。


次の日

Myドリルの刃を持って来たわ。

あまり使ってないので新品同然。

電動インパクト兼ドリルが欲しい。


更に今回は多少のキズは覚悟して万力に直接固定。

やはりゴム板挟むとズレちゃうので。

専用のバイスが無いのでキャップの平行は目測。

人間の、特に砂井さんの目測なんて全く当てにならないんですが、そんなに精度が必要なワケでなないのでココは目を瞑ります。

ホンとはね、ちゃんと水平出して固定したいんだケドね。


気を取り直してギュイーン!!

あ、ドリルは9mmですよ。


一瞬で開通したわ。

しかも熱くない。

でもやはりバイスでキチンと固定出来ないので僅かに曲がってるか?

まぁ使用に問題ないからイイかな。

フチのバリは棒ヤスリで落としておいた方がこの後のタッピングがしやすい気がする。


タッピング(ネジ山加工)

使用するタップは10m径の1.0mmピッチタイプが必要です。

1.0mmピッチなんてレアアイテムは近所のホームセンターに売っていなかったもんでAmazonで取り寄せました。

しつこいですが下穴は9.0mmですよ。


ネジ穴をタッピングで切っていきます。

後から気が付いたんですが、このタッピングで斜めになってました。

真っ直ぐ開けるの難しい。

せめて専用のバイスがあればね、とかタダで使わせてもらいながら贅沢な文句を言ってみる。

次は気を付けよう (* ̄- ̄)

多分もう作らないケドね。


真鍮製の燃料キャップはタッピングでネジ穴を開ける事自体は比較的簡単。

斜めになるのを気にしないならね (;´・ω・)


最後にダイヤモンドヤスリでバリ取りして加工は終了。


ゲージは10mmのスパナで締めます。

間隙が狭いので、締め付けには通常より薄いスパナが必要になります。


開けたネジ穴には十分なネジ山の数があるように見えますが、左のちょっと偏心したヤツ見るとネジ穴の中に穴が開いています。

肉厚に見えるのは、内部のゴムシールを押さえておく単なる突起部分で強度はありません。

実際の肉厚は2mm程度。

なので前回はシールテープで締めましたが今回は接着する事にします。

ネジ山が少ないし、そもそも外して交換する?って思ったのでね。


接着にはエポキシ樹脂系接着剤を使いました。

写真だと何だかアヤシイ液体に見えますが気にするな。

2液混合タイプは少し面倒ではありますが、ガソリンや灯油に対する耐油性もばっちりで、適度な粘性が隙間を埋めるのに丁度イイ感じなのです。


万力でしっかり固定して、ネジ山の上側にエポキシを塗って締め付けます。

接着剤は少しハミ出るくらいで良いと思います。


完成したヤツら。

写真ではわかりませんが、少し傾いちゃってるのはボール盤のバイスとタッピングの腕のせい。

決して砂井さんの性根が曲がっているからではない、と思う。


使用したエポキシ樹脂系接着剤は30分硬化タイプ。

ネジ穴の周辺にもハミ出るくらい盛大に盛ったので漏れ対策もばっちり。

万が一外す必要がある場合には、ハミ出た部分をそぎ落として強引に回せば緩むと思います。


一度スポーツスターⅡ508Aに取り付け、加圧してから漏れ検知剤をブッかけます。

予想通り今回加工した接合部からの漏れは無しですが、意外にネジ部から結構漏れるのを発見。

キャップ自体は結構キツく締めないとダメなんですね。

この漏れ検知剤は結構使えるので常備してます。


コレで手持ちのランタンとバーナーには行き渡りました。

コツは掴んだので次回はもっと上手く作れる自信はあるケド、多分もう作らない (;´・ω・)


このサイズのゲージだとコールマン純正ランタンケースに入るのが我ながらポイント高い。

ランタンもストーブもね。

2 Comments

  1. 自作しようと色々見て回っているところ砂井さんのページにたどり着きました。大体の構想はあったのですが、部品の選定(サイズや組み立ての後の干渉など)から組み立て時に気を付けるところなどモノ作りを行う人だからこそ抑えるべきポイントをわかりやすく説明があり大変助かりました。これからも色々と参考にさせていただきたいです。

    • しゅうとさん、コメントありがとうございます。
      そう言っていただけると励みになります。
      言われて読み返したら品番とか前回の記事にしか入って無かったので入れておきました。

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