CPUじゃなくてM/Bが原因でした
高負荷ではCPU温度が高い状態が続く11世代i7の11700kさん。
性能は高くてもそれ以上に温度も高過ぎるという困ったちゃん。
空冷CPUクーラーでは高性能の部類に入るNoctuaのNH-U12Aに交換し、温度は下がりましたが動画のエンコードではまだまだ高い数値を刻みます。
この温度で常用している人も多いみたいですが、砂井さん的もはもっと温度を低く保ってCPUの寿命に配慮したい。
次回買い替えられるのはマジ10年後とかになりそうだし。
調べまくって原因が判明
砂井さんはi7 2600を10年近く使っていた、いわゆるSandy Bridgeおじさん。
なので自作界隈の最新テクノロジーには長らく無縁でしたが、AMD RYZEN 3800Xに買い替えてから勉強を再開。
約1年で傾向や最近のトレンドなんかも一通り網羅したと思います。
特に巨人インテルの没落っぷりはビビったケドね。
i7 11700kのTDP(Thermal Design Power熱設計電力)は125W(ワット)ですが、コレは定格動作時の数値。
実際はターボブースト等で自動オーバークロックするので増減します。
各CPUごとに仕様は決まっているんですが、ブースト動作の基準値のうち電力の上限値を規定するPL(Power Limit)はマザーボード側である程度自由に設計出来るので、ベンチマーク結果を優先して高い設定にしているM/Bメーカーが多いそうです。
どうやらM/Bのこの辺の設定が問題らしいんですよ。
砂井さんPCのマザーボードはASUSのZ590-PLUS。
ASUSには宗教にも似た絶大な信頼感があります。
ASUS、GIGABYTE、MSIなら断然ASUS一択。
ASRockはね、同じメーカーでも何かね (* ̄- ̄)
UEFI設定
このASUS製マザーではASUS MultiCore Enhancement項目からPL関係の設定変更が可能。
ノーマルではAUTOになっていて
PL1(長時間持続可能なリミット)200W
PL2(短時間のみの最大電力)250Wに設定されています。
11700kの定格は125Wですが、ノーマル状態でも200Wまでオーバークロックされる仕様になっていました。
結構エグイ数値じゃね? (;´・ω・)
マザボメーカー自慢のVRM(電源回路)で安定して高い数値に設定出来ても、強引にブン回されるCPU側はタマリません。
プルダウンメニューの意味が分かりにくいですが、
Disabled(無効)にすると
PL1:125W
PL2:200W
となるようです。
ちなみにEnabled(有効)にするとReMove All Limits(無制限)になり、いちいち試さなくてもヤバイのが分かるので今回は割愛 (笑)
まずはAUTOのままDATA収集
つまり今までのノーマル状態を再確認。
1番高いCPU温度になる動画のエンコードで負荷をかけますよ。
いつもの動画をエンコードしてます。
CPU電圧は1.4V以上かかっていますね。
消費電力も254Wと非常に高い数値です。
NH-U12A(CPUクーラー)の許容ってどれくらい?(;´・ω・)
当然CPU温度も94℃と高い。
砂井さんの環境では各種ベンチマークより、動画のエンコードが最も高い温度になります。
ちなみに当初CPUクーラーが虎徹Ⅱだった時は100℃に達し、サーマルスロットリングが機能するのを初めて目撃しました。
この時の平均周波数は4.6GHzで動作しています。
今度はDisabled(無効)で定格動作
ASUS MultiCore EnhancementをDisabled(無効)にすれば
PL1:125W
PL2:200W
の設定になるハズ。
電圧は最初PL2分でブーストしますがその後は1.1V程度で安定。
CPU温度温度もPL2時でも最大76℃と18℃も低下。
PL2のブースト終了後は更に60℃台前半で余裕のよっちゃん。
よっちゃんって誰?
消費電力もPL2のブースト時に184W程度まで上昇しましたが、その後は定格の125W以下。
設定通りになっています。
当然動作周波数は低下して4.1~3.8GHzくらい。
AUTO設定時は4.6GHzだったので最大800MHz程度低下しています。
ベンチマーク
次にCineBenchを測定します。
いきなり結果ですがASUS MultiCore EnhancementがAUTO設定では14122、Disabledにした定格動作では12763と10%程度の性能低下が見られます。
また短い動画のエンコードも1:00から1:09と9秒遅く待っています。
やはり性能と温度はトレードオフなのか?
いや実はそーでもない
ゲームベンチの代表格ファイナルファンタジーⅩⅤを走らせてみると
AUTO設定PL1 200Wでは7280
定格設定PL1 125Wだと7283
と誤差の範囲で同点という結果に。
コレは何故か?
定格設定でも動作周波数は4.6GHzに張り付いているからですね。
CPUはASUS MultiCore EnhancementがAUTOでも無効でも変わらない動作をしています。
CPU温度も平均50℃台、最大でも60℃台なので安心。
CineBenchでは大差がついたのに何故なのか?
ソレはCPU使用率が低く、電力消費量自体が少ないから。
実際のゲーム等ではCPU使用率は25%程度。
消費電力が少ないので、そもそもパワーリミットを受けない範囲なんですね。
つまり11700kはASUS MultiCore EnhancementがAUTOでも無効でも、「パワーリミットの範囲内であれば動作(性能)は変わらない」という重要ポイントが見えます。
砂井さん環境で実際に影響を受けるのはベンチマークと動画エンコードだけ。
エンコードもそんな頻繁にしないし、30分かかるエンコードが35分になっても実質大して変わりません。
コレは事実上影響は無いと言えるんでないかい?
それより大幅に下がるCPU温度の方が嬉しい。
半導体は温度が10℃上がると寿命が半分になるって言いますからね。
それにしてもマザーボードメーカーのオーバークロック設定が結構エグイのが気になる。
標準でコレとか、一体どんなCPUクーラーを付ける前提なんですか?
今後はAUTO設定でもPL1の数値を選択出来ればイイのにね。
PL1で160W程度に出来たら温度と性能のバランスが良さそう。
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