使用頻度の低かったコールマン286Aをケロシン化

ケロシン(灯油)ならもっと使う?

キャンプが好きなのではなくキャンプ用品が大好きなだけの砂井さんは特に火器が大好物で、眺めているだけでゴハン3杯は軽くイケる口です。

液燃ランタンだけでも5個持っていますが加圧が必要なタイプは全てコールマン製。

液燃タイプは気温に関係無く高熱量を発生させる事が出来る反面、着火に手間がかかったり燃料の取扱いに注意が必要になります。
その点安全性と扱いやすさが段違いに良いですよね、コールマン。

最初はお気に入りだった290Aツーマントルランタンを使用してしましたが、灯油(ケロシン)を使う639Cの圧倒的なコスパと光量に魅せられここ数年は639Cがメインで稼働しています。

コールマン639C700の明るさを比較したら凄い性能だった!


2022年2月にモデルチェンジして型が1つ古くなった286Aワンマントルランタンですが、お気に入りの290Aの大光量に隠れて一番出番の少なかった不幸なヤツです。

でも639Cケロシンランタンで灯油の良さを知って一つの野望を思い付きました。


286Aをケロシン化してみる

使用頻度が低い&新286Aの登場で更に疎遠になった旧286Aなら気兼ねなく弄れるってモンですよ。

ネットを見れば沢山の事例が見られるので別に珍しい改造ではありません。

ケロシン化するとプレヒートの手間が増えますがランタンはプレヒートカップを付けられるし、また点灯させる時間帯が予測出来るのでバーナー(ストーブ)より使い勝手が悪くならないと思うんですよね。


収集した情報から考察する

またケロシン化に当たっては

A「ジェネレーターの交換だけでイケた」
B「バルブASSYの交換or加工も必要」
C「何やっても全然安定しない」

とか色々な情報が見られます。

この点に関してはコールマンの火器は設計というか精度がガバガバなので個体差による所が大きく、結果を予測する事は不可能なので無視する方向で大決定。
正常性バイアスがかかり都合の良い情報だけ当てにします。

更に情報収集を進めると

D「灯油はガソリンより混合率が高い」
E「流量が多いのでバーナーASSYの穴を拡大する」
F「ガソリンより熱量が多い」
G「空気を沢山使う」

とか(。´・ω・)え?って感じの情報も溢れています。

ガソリンの理想空熱比(A/F)は14.7ですが灯油も殆ど同じです。
また発熱量(MJ)もガソリン35.6に対して灯油36.7と、僅かに灯油の方が多いものの実質そんなに違わない数値です。

個人的にはバーナーASSYの穴の拡大とかも無意味な気がします。
そもそも「ジェネレーター出口側の径が同じなのに吸入口だけ拡大して変化するのか?」と思うワケなのですよ。

以上の事から成功の可否は完全に運任せなのでこれ以上ゴチャゴチャ考えても意味はありません。

なので一番予算が少なくて済むジェネレーター交換でチャレンジしてみます。

ダメなら素直に諦める所存。


ジェネレーターを取付けているのは根元のナットを緩めればジェネレーターが外せます。

でも金属板をプレスしただけのコールマン・スーパーレンチ(笑)では薄くてナットがナメそうです。

「スーパーレンチ」ってネーミングにアメリカを感じる。


砂井さんはなんちゃって工具マニアでもあるので一般的な工具は揃っています。

やはりナットに当たる面積は多い方が良いワケで。


13mmのスパナを当ててみる。

・・・(* ̄- ̄)・・・

やっぱナットのサイズはインチみたいで合わないなー。

メートル法 (/・ω・)/バンザイ!
ヤードポンド法は滅ぶがよい。


しゃーない、モンキーでイキマスかね。

ふんぬー(`・ω・´)

ナット「・・・」

4インチのモンキーじゃビクともしない?汗

これ、スーパーレンチ(笑)じゃナメる確率高そう (;´・ω・)


なら8インチモンキーかましたるわ。

ふんぬー! (`・ω・´)

ナット「ぐりっ」

緩みました (;´∀`)
どんだけトルクかかってんねん。


ジェネレーターの中にはコイルとニードルが入っています。

このニードルの根元に引っかかっているフックを抜けばジェネレーター本体が外れます。


内部は綺麗なモンですね。

ジェネレーターの内部は外筒部分の中ある2重になったスプリング状のコイルにニードルが通った構造をしています。

コイルは内部にある燃料と接触する面積を増やして気化を促進させる余熱用かしら?


ニードルの先端部分には掃除用の極細ワイヤーが付いているので折らないように注意。

コレを折るとジェネレーターごと交換する羽目になりますよ。


コレは燃料を噴射するジェネレーターの先端部分になります。

極細の穴から先ほどのワイヤーが出ていますね?

マニュアルには「消火する前に燃料バルブを数回ぐりぐり回して」と書いてありますが、バルブをグリグリ回すとこのワイヤーが出入りして燃料噴出孔に溜まったカーボンを落とすんですね。


燃料バルブを回すとこのフックが上下してジェネレーター内のニードルが動き、内部を通る燃料の量を変える構造です。


214用ジェネレーター

214用ジェネレーターはケロシン化に必須なモノらしい。

コールマン214A700ランタンは286Aサイズのケロシンランタンで日本では未発売だったモデル。

まぁ639Cも未発売だし、コールマンは日本でケロシンモデルを発売していません。

214ランタンはアメリカでも2011年に廃盤になっていますが、ジェネレーターはまだ日本でも入手可能です。

ヒートカップは無くてもバーナーで炙って代替可能ですが、個人的にはあった方がラクだと思います。


214のジェネレーター内部。

1ピース構造のコイルは径が286Aより太くなっていますがその理由は分かりません。

ホワイトガソリンの沸点は50℃程度、対して灯油は200℃前後とガソリンより高い。
なので太いコイルで蓄熱量を増やしてジェネレーター内での気化を更に促進させる為とか?


ジェネレーターを取付ける際は先にナットとプレヒートカップを通しておくのを忘れずに。

えぇ、当然一度忘れて付け直したワケですが、

何か?(;´・ω・)


ジェネレーターを取付けるには先に上部をバーナーヘッドに通します。

マントルに触れて壊さないように注意ですよ。


根元部分はバルブと連動するフックにニードルを挿し込みますが、フックの厚み分偏芯しているので差し込む向きを間違えないようにします。


取付け状態を確認したらナットをふんぬー!(`・ω・´)と締め込みます。


プレヒートカップの下にヒートシールドを挿し込んでひとまず作業は終了になりますが、実はまだ対処事案が残っているんですよ。


マントルの防御

取付けたプレヒートカップはジェネレーターに沿って上下に動きます。

運搬時等にカップが動くと高価なマントルに当たって破壊されてしまいます。

マントルってマジ高いよね?(;´・ω・)


ケロシンモデルの場合

最初から灯油を使用する前提の639Cには、プレヒートカップが上に上がらないようにするストッパーがあってマントルの破損を防止しています。

コレに準じてヒートカップを固定する方法はないか?と思案する事34秒。


ココは得意のワイヤリング(Wikipedia)で固定しようと思います。


クルクル (`・ω・´)

ジャムナットの根元に巻き付けて端末処理して完了。

悪くない (* ̄- ̄)


燃料補給

さて、早速試験点灯してみますよ。

当然給油するのは灯油(ケロシン)です。

雪国では欠かせない灯油は暖房用に貯め込んでいるので、ランタンの使用量からすれば「無限」と言っても差し支えない備蓄量があります。


ポンピングしてからプレヒートカップにアルコール入れてジェネレーターを余熱します。

プレヒート中にポンピングすると燃焼中のアルコールが零れる危険があるので注意です。

写真ではもう点火していますが昼間ではアルコールの炎は見えませんね。


アルコールの炎によってマントルが発光する事でやっと燃焼を確認出来ます。

ガソリンの引火点は-40℃以下ですが灯油は40℃以上と、その差は80℃以上あります。

結構知らない人も多いんですが、液体のままの灯油は布に染み込ませたりしないと常温では着火しません

また灯油が40℃に達して着火出来る温度になっても気化しないと不完全燃焼を起こします。

なのでマントルを発光させる程の完全燃焼状態にするには灯油を気化させる必要があり、その為にはジェネレーターを200℃(灯油の沸点)以上にする余熱(プレヒート)が必要なワケです。

余熱が足りないと液状のまま火が付いた灯油が流れ出して文字通り「炎上」するので注意。

余談ですが石油ファンヒーターの点火に時間がかかるのは上記の余熱が必要だから。
すぐに着火させる秒速点火機能は常に余熱しているので待機電力がパねぇです。
ダルマストーブは芯に染み込ませているので直ぐ着火します。
ちなみにコップに入れた常温の灯油に火の点いたマッチとかを入れても「ジュッ」って消えてしまいますが良い子はマネするな。


いよいよ点火しますよ?|ω・//)ドキドキ

正常に燃焼するかまだ不明なのでホントは外で試験をしたいんですが、生憎の空模様で外は猛吹雪。

なので玄関先で強行します。


はい!オープン!

ぼふっ

おおっ!! (;゚Д゚)
正常に点火しました。

特に不具合もなく燃焼していると思います。

って、(。´・ω・)ん?


ちょっと気になったのはマントルの周囲からバーナー部へと上がる炎。

コレって正常ですか?(;´・ω・)

ユニフレームのUL-Xとかでもなっていたよーな?


試験終了後

とりあえず無事点火はしたしマントルが黒く変色するなんて不具合も無し。

ならレギュラーメンバーになると思うので燃料キャップを自作ゲージ付に交換しました。

コールマン製火器の圧力ゲージ再び


あとイグナイターも取り外しました。

プレヒートの火で点火出来るので不要になったのですよ。

イグナイターの取付けで云々かんぬんしていた時に切断しちゃったヒートシールドが完全にムダになりましたね。

コレって廃盤らしくて通販でもう売って無い感じです (;´・ω・)


流石にココまで分解したらマントルが壊れちゃったので新品に交換しました。


286Aケロシン改の完成です。

当たり前ですがパッと見は普通の286Aと変わりませんね。

639CみたいなKEROSENEステッカーとか欲しい。

・・・(* ̄- ̄)・・・

カッティングシートで作るか。


プレヒートカップがケロシンモデルの証。

分かる人にだけ分かるのです (* ̄▽ ̄)フフフッ♪

ケロシン化した286Aのマントル問題

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