Jumper製の中華プロポです
ナゼここにT8SG V2 Plusのカーボン調モデルがあるのか?
実はこのブログを見ていた方から「不具合を修理出来ないか?」との依頼があったのです。
普段はこのような作業を受ける事は無いのですが、今回は何やら思うところがあり特別に受ける事にしたんですよ。
んで送られてきたT8SGは至高のカーボン調だったワケです。
・・・(* ̄- ̄)・・・
やっぱカッコイイなぁ。
ウチのはダサい黄色だしなぁ (;´・ω・)
なんで黄色にしたんだろ?
デザイナーとか極刑じゃね?
T8SGはコピーメーカーとして有名な中国Jumper製でファームウェアにDeviation使用。
日本の技適に対応した数少ないマルチプロトコル・プロポとして一世を風靡しました。
不具合の確認
左スティックの左右、つまりch4のRUD(ラダー)の反応が悪い?ってかオカシイ。
正常に動く時もありますが操作に追従せず、遅れたり勝手に動いたりします。
砂井さんは左ジンバルの初期不良だと判断しましたが、海外通販の為良品と交換出来ず、また修理も「自分でやれ」とか言われたらしく無事ココに至ったのですよ。
Channel Monitorの表示は間違いなく異常を示していますが、念のためPCのシミュレーターでも試してみます。
Model setupから”USBHID”にしてUSBコントローラー設定にします。
細かい設定は後回し。
とりあえずPCに繋ぐとコイツがまた認識しない (;´・ω・)
でもUSBストレージモードにすると認識しますね。
そう言えばこのプロポのユーザーさんも「シミュレーターで動かない」とか言ってたな。
ケーブルか?とも思って手持ちのヤツと交換するも反応なし。
まさか基盤の不具合なのか?(;゚Д゚)ガクブル
この手のヤツはPC側の問題も考えられるし、色々やってみます。
まずはUSBケーブルを接続してからプロポの電源を入れてみよう。
P「ポロリン♪」
・・・(* ̄- ̄)・・・
あっさり認識したわ (;´・ω・)
Deviation Game Padとして正常に認識されました。
1度認識されるとケーブルを何度抜き差ししても普通に使えるようになりました。
一体何だったのか?
でも意外によくある話なので気にしない。
こんな事を気にしている余計なリソースは砂井ブレインには無いのです。
あ、WindowsでDeviationプロポをコントローラーとして使用する場合、ch1~ch4の各チャンネルの値を変更する必要があります。
各chの値の幅は-100~100になっていますが、ココを0~100に変更します。
Mixer設定からch1~4のScaleを50、Offsetも50にすると簡単に設定できます。
数値の変更をしたら右上の”Save”を押して保存するのも忘れずに。
コレはプロポのファームウェアがDeviationとJumperTXの場合のみ必要で、OpenTXでは不要です。
早速飛んでみる。
ぶぃーん、ぐるぐる~、グシャ。
・・・(* ̄- ̄)・・・
ラダーが勝手に回ってほとんど制御不能。
Channel Monitor通りの反応です。
ま、確認しただけですよ。
最初に相談を受けた時に
砂「ジンバルの不具合じゃね?」
と思ったので予備のジンバルも購入して送って貰いました。
コレでジンバルが原因でなかったら訴訟モンですハイ。
分解
T8SGの裏蓋を外します。
6ヵ所のネジを外し、一番下のバッテリーのフタも開けておきます。
T8SGは内部モジュールなので別に不要ですが、念のため背面にハマってる外部モジュール用のメクラも外しておくと安心です。
プロポ上部角に左右2ヵ所あるカバーは忘れやすい。
前方から小さい⊖ドライバー等で抉りますがキズを付けないように注意です。
パッカーン
デジタル化と集積度の向上によって最近のプロポ内部は簡素になって助かります。
電気的には複雑化していても機械的構造は単純になっていきますのでね。
昔のアナログプロポはゲロ吐くほど大変でした (;´・ω・)
んで新品ジンバルの出番ですが、イキナリ交換はしません。
ちゃんと左ジンバルが原因でコレを交換すれば直る、って確認をします。
仮接続
確認は簡単。
配線だけ付け替えた状態で試すんですよ。
まず不具合品と思われる既存のジンバルのケーブルをコネクターから抜きます。
X軸とY軸の2軸あるのでケーブルは2本。
場所だけ覚えておきましょう。
砂井さんは短期記憶が無い人なので写メ撮っておきます。
「写メ」が通じる世代向けのコメントです。
まぁ逆に挿しちゃっても操作が入れ変わるだけなので挿し直せばOK!
気楽にイキましょう。
んで代わりに新品のジンバルのケーブルを接続します。
この状態で電源を入れて動作確認しますが、むき出しの基盤にネジとか落としてショートさせないように注意。
あ、もちろん最初にキャリブレーションを行います。
キャリブレーション後
・・・(* ̄- ̄)・・・
コ、コイツ動くぞ!(;゚Д゚)
正常に動いています。
やはり原因はジンバルだったので一安心 ε-(´∀`*)ホッ
ぶっちゃけこの時点で解決したも同然です。
交換作業
ジンバルが不具合の原因だったので交換すれば直る事を確認しました。
しかしこのまま交換するだけではダメなのです。
基本的にジンバルは左右共通部品。
購入したジンバルも2軸ともスプリングテンションで中立に戻る状態。
でもスロットル側はスプリングが無くてフリーに動かないとダメなんですよ。
高度維持機能のあるトイドローンや空撮ドローンではスロットルにもスプリングテンションがあって中立に戻るんですが、ラジコンやレースドローンはスロットルもマニュアルで操作するのでスプリングテンションがありません。
スロットル操作には状況に応じた最適な位置が常に異なる為、ニュートラルが無いんですよ。
左のスロットルレバーはスプリングが無いので下に下がったままですが、奥の新品はスプリングによって中立位置に戻っています。
なのでスプリングを外してレバーに抵抗を与える必要があるワケです。
スロットル仕様にしよう
交換した新品ジンバルのスロットル、つまり縦軸のスプリングを外します。
写真のピンセットで示した小さいスプリングがソレです。
実際にレバーを動かした時に一緒に動くスプリングなので一目瞭然。
小さい部品ですがピンセットか細い⊖ドライバーで何とかなるレベル。
不器用な人はなんだ、そう、ガンバレ。
外されたスプリング。
一緒に付いている小さい部品はスプリングテンションを調整するネジ部分。
他の3軸レバーもこのネジを締めるとテンションが強くなります。
好みで調整しましょう。
スプリングを外すと奥にあるシーソーも外れます。
コレはレバーが上下どちらに動いてもスプリングを引く方向に変換する部品。
奥にハマっているので忘れずに。
スプリングを外したレバーは動きがスッカスカになってしまい軽過ぎて操作がしにくくなります。
なので今度は板バネによって適度な抵抗を与える必要があります。
コレも新品ジンバルに付属していますが、今回は古いジンバルから移植しました。
ネジ2本で付いているので外せば簡単に外れます。
でも小さいのでハズキルーペ必須。
ジンバルの裏を観察すれば直ぐに分かるんですが、縦レバーの背面にある円盤に板バネを接触されて抵抗を得る超絶アナログな手法。
でもこの構造は高級プロポでも基本的に同じ構造だし、枯れた技術は侮れない。
板バネの取り付けですが、写真左のネジは完全に締めて固定。
右のネジの締め込み量でテンションを変え、摩擦の強さを調整します。
T8SGのノーマル状態は少し軽すぎると思うのでホンの僅かに強めに調整しました。
スティック部分はジンバルに付属しないので古い方から外して移植。
2ピースタイプのスティックは(ネジ山の範囲で)任意の長さに固定出来ます。
今回はノーマルと同じ最短で固定しました。
最終動作確認
FreeRiderで動作確認。
USB接続もキャリブレーションも問題なし。
当然飛行もOKですが、やっぱMode-2はムリ~ (;´・ω・)
手持ちの機体とBINDも確認。
Beta75 Pro2はS-FHSSで正常にBINDしました。
流石にMode-2で実飛行は無謀なのでバインドまでの確認でご勘弁下さい。
最後に
人様のプロポに勝手に自作アイコン画像を入れてしまう暴挙。
TinyWhoopとPCアイコンだけ入れときました ( ´∀` )
不能なら消して下さい。
最後に動作確認で使用した自前の黄色モデルとツーショット。
・・・(* ̄- ̄)・・・
やっぱ黄色は無いわ~ (;´Д`)
お世話になります。
JumperT12のfirmware更新したら、起動しなくなりました。
色々、トライしていたらbootloader画面もでなくなってしまいました。
このプロポは修理可能でしょうか?
宜しくお願い致します。
かとらさん、コメントありがとうございます。
申し訳ありませんが当方、基本的に修理等は行っておりません。
T12は持っていないんですがファームウェアはDeviationではなくOpenTXですね。
書き換えはPCのCompanionからでしょうか?
現在ドローン系はお休みしているので記憶が曖昧ですが、SDカードにbinファイルを入れてプロポ上からアップデートが不能なのであれば、CompanionからSDカードに解凍されたファイルを書き込んだり、あるいはCompanionから直接プロポを繋げてインストールしてみるくらいしか思い浮かびません。
確かその方法であればbootloaderが不要だったような?
お役に立てず申し訳ありません。