安心安全なカブ道の為に
先日焼き付いたキタコ75ccライトボアアップKITです。
半年の間に3基目のボアアップKITを組む作業をする羽目になりました。
長時間に渡る回し過ぎが焼き付きの原因ではないか?と推測されたので可能な限りの対策をしてみます。
あ、回さないという選択肢はありません ( ´∀` )
キタコの39Tスプロケットで1サイズハイギアに寄せてみます。
ノーマル状態から比較すると結構ハイギアにしています。
ドリブンスプロケット :41T→39T
ドライブスプロケット :14T→16T
基本的な走行シチュエーションは平地オンリーで1ヵ所陸橋があるくらい。
なので多分75㏄だとコレくらいが限界値だと思います。
ノーマルのプラグは6番。
なので1つ上げて7番にしました。
ドリブンスプロケット交換
チェーンカバーを外す為に黄〇のボルトを外します。
ステーの上から締まっている右上のヤツだけ少し長いので注意。
チェーンカバーは上下2分割になっています。
・・・(* ̄- ̄)・・・
何か剥き出しチェーンもワイルドだろう?
あ、チェーンカバー内部に錆が発生していたので赤錆を黒錆に変えるサビチェンジャーをブチ撒けておきました。
ドリブンスプロケットを交換するにはリアホイールを外す必要がありますが、その際リトルカブではマフラーも外す必要があります。
前後の固定ナットを外してブラブラ状態にしておけばOK。
このアクスルシャフトを抜くのにマフラーが邪魔になるからです。
リアブレーキの回り止めをしているステーを外すのにコッターピンを抜きます。
ブレーキのアジャスターを抜いて完全リリース。
リアホイールの取外し
左側アクスル部には大小2つのナットがあります。
シャフトを固定しているのは小さい方なので19mmアクスルナットを緩めます。
反対側のシャフトは14mmです。
ナットを外すとアクスルシャフトがズルズル抜けます。
シャフトを抜くとホイール右側のカラーが外れます。
このカラーが外れた分、ホイールを右にズラす事が出来ます。
ホイールを右に寄せるとホイールがスプロケット部から分離します。
ココはゴム製のハブダンパーの凹凸を介してハマっているだけの構造です。
スプロケット部から抜けたホイールを後方に移動させ、もう一度左側に寄せると今度はブレーキを抜く事が出来ます。
あ、センタースタンド使用時の話ですよ。
いやーセンタースタンドってメンテナンススタンドとして超優秀。
ブレーキを外すと斜め後方へリアホイールを抜く事が可能です。
コレでやっとスプロケットにアクセス出来ます。
大きい方の23mmスリーブナットはスプロケットを固定しています。
コレはナットだけ緩めればOK。
はい外れました。
ノーマル41Tで間違いなし。
早速交換しようと思ったんですが、軸部がジャマでメガネレンチが入りません。
ココは32N・mと高トルクなのでスパナではナメる危険があります。
ソケットならギリ入りますね。
でも固くて緩まない。
スプロケットを固定出来ないのが原因です。
イメージです。
力を掛ける力点の方向を支点の方へ向ける事でスプロケットが回転するのを最小限に抑えられます。
(2023.9.10追記)
コレってよく考えたら、このスプロケット一式を一旦リアホイールに付ければもっと簡単だったんじゃね?(;´・ω・)
エイドリアーン!! ヽ(`Д´#)ノ
レンチを掛ける角度を工夫してスプロケット側の逃げを防止。
血管がブチ切れる寸前で何とか緩みました。
砂井さん必殺のエイドリアーンアタック×4回で外れたスプロケット。
ロッキー世代のおっさんは「エイドリアーン!」の雄たけびで1.2倍の力が出ます。
・・・(* ̄- ̄)・・・
何かキタコスプロケの方が肉抜きが少なくて重いんですケド?
重ねるとキタコの方が小さい。
当たり前です。
さて今度は取り付けです。
ボルトに固着防止のグリスを塗っておきました。
またエイドリアーンアタック×4でナットにトルクを、血管には負担をそれぞれ掛けます。
トルクは32N・mです。
取り付けの際はベアリング外側のカラーを忘れずに。
内側からは中空のシャフトを差し込みます。
ココにもグリスを塗っておきました。
取外し時と逆手順で取付けます。
23mmのナットはまだ仮止めです。
リアホイールを右後方からコロコロ入れて~
1度後方へ引いたホイールにブレーキASSYを取り付けます。
あ、ピンボケ (;´・ω・)
ブレーキシャフトをアームに通しておきます。
スプロケット側のハブダンパーの凹凸を合わせたら左側にカラーを挟み込みます。
防錆にグリスを塗ったアクスルシャフトを入れます。
この部分も高トルクですからね、グリス塗っとこ。
アクスルシャフトを付けたこのタイミングでブレーキのトルクロッドをナットで固定します。
コッターピンも忘れずに。
チェーンテンショナーの10mmナットでチェーンの張りを調整。
チェーン中央部で25mm~35mmたわむ程度にします。
チェーンの張りが適正になったら23mmナットでスプロケットを仮固定します。
ステー側に付いているメモリとテンショナー側の切り欠きで位置を確認。
右側も同じくらいの位置になる様に調整します。
この時点で再度チェーンの弛みが変化していないか確認。
アクスルの位置が決まったらスプロケットを固定する23mmのスリーブナットを先に締め付けます。
締め付けトルクは44N・mです。
切り欠き付きのシャフトなので強度に余裕がありません。
オーバートルクは即破損に繋がります。
アクスルシャフトを固定する19mmナットは59N・m。
小さいナットの方が高トルクなので間違えやすい。
反対側のシャフトは14mmメガネレンチで固定します。
このトルクを23mmのスリーブナットに間違って掛けると破損するので注意。
チェーンカバーを戻します。
長いボルトの位置に注意。
カバーにはツメがあってそれぞれ内側外側が決まっています。
薄いスチール製で無理に力を掛けると変形するので注意。
最後にマフラーステーに39N・mを掛けます。
あ、マフラー根本の10mmフランジナットは10N・mですよ。
ちょっと長くなったので「その2」に続く。
ハブとスプロケットの分離は 外したタイヤに嵌めたら 楽に分解出来ます、 今レストア中のバイクも そうしてます。 ワタシ トルクレンチを持たずにエンジンの分解と組立をタウンメイトT80で行いました、クランクとコンロッドは分解出来無いので トルクレンチ無しでも特に問題は出ていません。 勿論トルクレンチが有るに 越したこと有りませんが ・
矢張りキットとは言え 純正とは違うのが社外品のリスクなのですかね…
ワタシもタウンメイト用の社外品のシリンダーブロックとピストンのセットを持っていますが まだまだ出番は無いです。