自動二輪の免許を取ってしまったので
最初はナンダカンダ言ってたのに、結局普通自動二輪車の免許を取得してしまいました。
砂井さんのようなオッサンには中免(中型免許)と言った方がしっくりきますが、今の人に中型と言ったら当然車の方を連想しますよね。
なので当初50ccのままブイブイ言わせる予定だったリトルカブは、ボアアップして黄色ナンバーにしようかと思います。
二段階右折や30km/h制限等の50ccの呪いから解き放たれる為です。
早速ニャンコ大先生ファクトリーへ
イキナリですが作業を開始します。
知人で廃人のニャンコ大先生はバイク弄りが大好きな変態。
当然カブ系の横型エンジンにも詳しいので色々教わりながら作業を進めますよ。
まずは作業に邪魔なマフラーとステップ、キャブレターを外しました。
交換対象になるシリンダーは鉄製の黒い部分。
アルミ製のクランクケースとヘッドで挟まれたサンドイッチ構造になっています。
この部分を入れ替えるワケですね。
シリンダー部を交換するにはヘッドを外す必要があります。
まずはヘッドの右にあるオイルクーラー(サイドカバー)と、左にある丸いカバーを外します。
左のカバーが外れるとカムギアがコンニチワします。
タペット調整の時と同じようにピストンを圧縮上死点する為にTマークのケガキ線と切り欠きを合わせます。
エンジンのピストン位置にはもう一つ排気上死点もあるんですが、タペットアジャスターがフリーになる圧縮上死点の方にします。
上死点の詳しい話は↓で。
クランクケース内のフライホイールを14mmソケットで直に回して位置を合わせます。
圧縮感が掛かるトコはゆっくり回さないと行き過ぎるので注意。
カムギアには圧縮上死点を示す〇マークが刻印されていますが、薄くて見難いのでペイントしました。
他人の手が入っていると〇マークが逆に付いている可能性があるのでタペットを見て判断した方が無難です。
カムギアの〇マークと、ヘッド側にある切り欠きが合っていれば圧縮上死点です。
切り欠きと〇マークを合わせる時は視線を水平に。
上から見るとギア1つ分くらいズレて見えるので注意です。
エンジン左側についているボルトを緩めます。
コレ、何で左側だけなんだろう?
シリンダーに付いているガイドプーリー用の軸も外しました。
8mmボルトを緩めてカムギアを外します。
供回りするのでフライホイールを固定しますよ。
あ、写真取り忘れた。
黄〇の14mmボルトを外してカムチェーンのテンショナーを緩めておきます。
オイルのドレンボルト(17mm)とよく間違われるらしいので注意。
ヘッドの分解準備完了
ヘッドは4本のナットで固定されています。
右下のナットには銅製のワッシャーが使用されています。
このナットが付いているボルトの周囲がオイルの経路になっているのでシール性を高める為だと思います。
左下には袋ナットではない、普通のナットが使用されていますが理由は不明。
念の為、写真を撮っておくのがヨロシイかと。
ヘッドカバーとサイドカバーも外しました。
グリグリしたりプラハンで優しく叩いたりして慎重に外します。
プラハンでフィンの部分を叩くと折れるので叩いてはいけません。
結構簡単に折れちゃいますよ。
お!外れた。
ズルズルと慎重にね。
カムギアを外しておこう。
ヘッドが外れました。
燃焼室の状態も問題無いそうです。
ロッカーアームとカムシャフトが見えます。
今回ココはノータッチですよ。
ヘッドの位置決めをするノックピンが残っています。
ラジオペンチでキズを付けないように慎重に抜き取ります。
念の為新品のノックピンも用意していまたしたが、簡単に抜けたので再利用します。
さて、いよいよシリンダー部を外します。
コッチも固着していましたが、鉄製なのでプラハンで叩くのも精神的にラクですな。
シリンダーが抜けました。
ガイドプーリーを忘れずに抜いておきます。
ずるずる~
シリンダーが抜けました。
後にはクランクにコンロッドで繋がれたピストンがだらしなくぶら下がっています。
シリンダー内に気になるキズも無し。
まだ走行距離2400kmくらいですからね。
1999年製でこの距離は奇跡的?
ピストンを交換する為にピストンピンのリングを外します。
この時リングがぴょーんとどこかに飛んでいく可能性のすこぶる高い作業なので、写真のような対策無しでの作業はダメな例。
当然ニャンコ大先生クオリティーです。
リングが無くなるだけならまだマシ、最悪クランクケース内に入るとヤバイので紙ウエスやビニール袋等で目隠しをしておきましょう。
悪戦苦闘の末リングが外れました。
リングが外れるとピストンピンが抜けます。
ピストンピンが抜けると当然ピストンがコンロッドから外れます。
外した純正ピストンとキタコ75ccボアアップピストンを並べてみる。
ストロークは同じなので単純に円の面積が1.5倍です。
純正ピストン径は直径39mmでストロークは41.4mm。
容積の求め方はr(半径)×r(半径)×π(円周率)×ストローク。
純正 :19.5×19.5×3.14×41.4≒49.43cc
キタコ:24×24×3.14×41.4≒74.88cc
当然ですが計算通りです。
あ、各自治体によって手順は少し違うらしいですが、この計算式は役所にナンバー変更の申請をする際に必要になるので、メモっておくと便利です。
新品のピストンにピストンリング&オイルシールを付けます。
リングを開くのがコワイ~ (;´Д`)
片方だけピストンピンのリングを付けます。
コレも「びょーん」といく確率大ですが、ピストンが大きいので作業はしやすい。
各部のガスケットを新品に交換。
キタコのボアアップキットにはこの手の小物パーツも揃っています。
でもノックピンもセットにしてくれても良いのではないか?とか思ったり。
取説通りピストンリング×2とオイルシールの切り欠きを120°ずつ等間隔にズラします。
シリンダー内とピストンにエンジンオイルをたっぷり塗ります。
コンロッドとピストンをピストンピンで接続。
ピストンは「IN」の刻印がある方が上側です。
えぇ、当然一度逆に付けましたよ?ニャンコ大先生が。
ピストン上部に刻印された↓矢印が何を意味しているのかは不明です。
吸気バルブの方が大きいのでバルブの逃げ加工が大きい方が上になってますね。
んでリングを付けます。
頼むからクランクケース内にだけは落とさんといて下さいよ。
ニャンコ大先生がピストンピンと格闘している間に、MJ(メインジェット)とSJ(スロージェット)を交換しておこう。
とりあえず1ランク濃くして
MJ 92→98
SJ 40→42
にしておきました。
MJは95にしたかったんですが、手持ちが無かったのと濃い分には壊れにくいと思ったので98に。
組み立て
ガスケットとノックピンを付けて~
ピストンリングを指で圧しながらシリンダーに挿入。
無理やり押し込むとピストンリングが変形するので注意。
カムチェーンを通して~
ガイドプーリーを忘れずに取り付けます。
上手くシリンダーが付いたら左側の固定ボルトを仮止めしておきます。
ノックピンを差し込んだらメタルガスケットにシール×2を忘れずに付けます。
ヘッドもオイルストーンでガスケットをキレイに除去。
燃焼室内も簡単にお掃除しました。
ヘッドを取り付けます。
シールの脱落に注意。
ヘッドが付いたら同じくガスケットをキレイに剥がしたヘッドカバーを取り付けます。
銅ワッシャーとナットの位置に注意。
この位置関係です。
ヘッドのナットは12N・mとサイズの割に高トルク?
対角線上に少しずつ締めるのがコツです。
カムギアを〇マークと切り欠きの位置を合わせて取り付けます。
カムギアを付けてからチェーンテンショナーを戻します。
位置関係を再度確認。
もしズレているとバルブを破損させますよ。
クランクをゆっくり優しく回して引っかかり等無いか慎重に確認します。
カム系の調整が終わったらLサイド・カバーを付けます。
簡易なオイルクーラー構造になっているLサイド・カバー取付け10mmボルトのトルクは10N・m。
カムギアカバーを固定する12mmボルトが12N・mになります。
武川PB16キャブレターを戻しますが一度ココで記事を中断。
実はシリンダー交換とは別の作業も平行して行っていたのです。
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