414はDual Fuel仕様です
コールマンの代表的な存在とも言えるホワイトガソリン仕様の413Hツーバーナー。
火力が外気温に影響されるガスバーナーと違い氷点下でも使えるのが自慢。
氷漬けの状態で使用しているあのキャッチコピーは有名ですね。
「ガソリンのツーバーナー」と言えば=(イコール)コールマン413Hなので大変有名ですが、ポンピングが扱いづらいのかホワイトガソリンが高価だからか中古で溢れているのもコレ系ですね。
その413Hのレギュラーガソリン仕様が414になります。
レギュラーガソリンを使用出来るモデルはDual FuelとかUnleaded(無鉛)と言われるモデルで、発売当初からジェネレーターが詰まるとの苦情が多くて日本では販売しなくなったと聞きます。
ホワイトガソリン仕様より詰まりやすいのは事実ですが、ジェネレーターに詰まったススを落とせば問題ないのでキチンと整備出来ない人には向かないんでしょう。
つい最近のホワイトガソリン仕様の413Hの記事を書いた気がしますが気にする必要はありません。
未使用品だった413Hはコレクション、この414は実用品として購入しました。
さて前置きが長いのはいつもの事。
ココでやっと414をじっくり観察してみます。
本体は薄いスチール板なので多少の凹みがありますが、全体的に未使用品では?とも思えるくらいキレイな物です。
ちなみに1994年5月製でした。
コールマンには発売時期によってDual Fuel表記と、Unleaded表記の違いがありますが両者同じモノです。
Dual Fuelは文字通り2種類の燃料が使える意味、Unleadedは無鉛レギュラーガソリンを意味していて、両者ともホワイトガソリンだけでなく自動車用のレギュラーガソリンを使用出来るのが売りです。
ただしクレームの多い日本人に対して「レギュラーガソリンは非常用で」との記載があります。
銀色のタンクがレギュラーガソリンを使える414の証。
タンクの色とジェネレーター以外は413Hと同一のモノだと思います。
なのでホワイトガソリン仕様の413Hもジェネレーターを変えれば414相当になります。
注意書きが英語なので並行輸入品ですね。
コッチの方がカッコ良いと思ってしまうのはミーハーなのか。
本体内部も非常にキレイ。
五徳部分にも熱が加わった形跡はありません。
メインとサブのバーナーヘッド。
コレも殆ど使用された形跡は無く、サブのバーナーヘッドに至っては防錆剤が塗られたままです。
ジェネレーターの先端部分にのみ熱が加わって変色した形跡がありました。
憶測ですが、この414はメインバーナーによる燃焼試験を1~2回行っただけではないかと思われます。
タンクの蓄圧も問題なし。
さすがコールマン、29年前の製品でも問題無いとかある意味スゴイ。
(。´・ω・)ん?
唯一の問題?を発見。
風除けのトコに付いている針金が変形しています。
この程度はダックビルでふんぬー(`・ω・´)して修正しました。
よし!修正完了。
ジェネレーターの違い
414ジェネレーターの付根部分にはカラーのような物が追加されていますが理由は不明。
先端部分も違って414の先端にはヒートシンクのような真鍮部品が追加されています。
表面積を増やして気化を促進されるのか?
カーボンを燃やしきる為か?
414がレギュラーガソリンを使えるのはこのジェネレーターのおかげなので、ジェネレーターを交換すれば413も同じ仕様になります。
追加されたパーツの位置はバーナーヘッド内なので熱交換効率を上げるモノだと予測します。
またバーナーヘッドの床面も表面処理の種類が違いますが、コレはロットの違いによるものかも知れません。
とりあえず燃焼試験
最初は正常作動を確認する必要があるのでホワイトガソリンを使用しました。
トラブルが最も少ないからです。
燃料を入れたらタンクをよく振りスポイトで吸って目視で確認。
タンク内はゴミ等も無くキレイな状態です。
ポンピングをしているとトラブルを確認。
エアステムを緩めるとエアが漏れています。
もう盛大に「ぷしゅ~」と音がするので間違いありません。
エアステムを締めると漏れは止まるので原因はパッキンではなくチェックバルブですね。
スーパーレンチ(笑)でプランジャーを外します。
・・・(* ̄- ̄)・・・
緩くてスーパーレンチを使わなくても手で回りました。
30年近く経過しているのにポンプカップは問題無し。
オイルも大量に塗られていたのでひょっとしたら前オーナーが交換したのかも知れません。
ポンププランジャー内に通っていた四角断面の棒がエアステム。
チェックバルブの強制閉鎖とポンピング動作のガイドをしています。
ネジになっているので緩めれば抜けますよ。
ポンプ穴内を覗くと見える、切り欠きのある真鍮製パーツがチェックバルブ。
幅広の⊖ドライバー等でも緩める事が出来ますが、古いモデルでは強固に固着している事が多いので外すのは大変です。
でも砂井さんはムダに専用工具を持っているので怖いモノ無し。
このコールマン製火器のチェックバルブを外すしか能の無い工具は、先端の切り欠きをチェックバルブに合わせエアステム用のネジ穴を利用してネジ留めする事で、工具とチェックバルブをガッチリ固定する事が出来る専用工具。
完全にそれしか出来ない、それ専用の!孤高な工具なのです!
さっそく専用工具をポンプ穴にブチ込みます。
工具本体をグリグリ回すと「カタッ」っと切り欠きが合う手応えがあります。
その状態で内部のネジを回すと工具とチェックバルブが完全に固定され、切り欠き部分がナメるのを防止出来るのです。
ネジ留めしたらスパナとかソケットレンチでゴリっと回して緩めます。
砂井さんは面倒なのでモンキーでゴリっと・・・
ゴリっと・・・
ゴ・・・めっちゃ固いな (;´・ω・)ヲイ
ふんぬー!(`・ω・´)
バキッ!!
緩みました。
緩める時に29年の歳月の音が盛大に鳴り響きましたよ。
コレは⊖ドライバーでは絶対緩められませんね。
無事に外されたチェックバルブ。
内部のボールがエアをせき止める構造ですが、ゴミが詰まったか?
そもそも精度が悪いのか?
チェックバルブは「復活したらラッキー!」程度にキャブクリーナーに漬け込んでおきます。
別に期待はしてません。
ポンプ部の内部。
チェックバルブが付いていたトコですが結構汚れていますね。
ペーパーウエスにパーツクリーナーを染み込ませて⊖ドライバーで突っ込みゴリゴリ~っとお掃除。
3回ほど行って綺麗になりました。
交換するチェックバルブはAma〇onとかで普通に購入可能。
今回は予備に持っていたモノを使用します。
お守りに内部のボールにリュブリカントを1滴垂らしておきました。
Oリングにもリュブリカントを塗ってから専用工具でクルクルと手締め。
外す時は固着していたので死ぬほど固かったチェックバルブは、Oリングで気密を取っている構造なので締めるトルクは程々で大丈夫だと思います。
「キュッ」て感じ。
固定したチェックバルブにエアステムを軽く締め込んで~
ポンプカップにリュブリカントを塗ってからポンププランジャーを戻して作業終了。
試験ポンピングで見事漏れは無くなりました。
あー、でもやっぱココのカシメが緩過ぎますね。
ポンピングする時に緩んで外れちゃうのでプランジャーをカシメているツメの部分をラジオペンチで手直し。
抵抗感を増やす修正をしました。
今度こそ試験燃焼
蓄圧してからバルブを開けてガソリンの放出をチェック。
水鉄砲のようにピューっと出た413Hと違い、414のジェネレーターでは霧状に噴霧されています。
コレも414の仕様ですか?
ちなみに413Hの出方は↑こんな感じ。
まぁ何にせよやっと点火出来ますよ。
ぼふっ
おっ?ガソリンが霧状に噴霧されているからかジェネレーターが温まるまでの炎上が少ないですね。
もう413Hもこのジェネレーターにしたい。
10秒程の余熱で完全燃焼状態になりました。
サブバーナーの燃焼も問題無し。
途中サブバーナーから赤い炎が出ましたが、コレは不完全燃焼しているいわゆる赤火ではなく、バーナーヘッドに塗られた防錆剤が燃えて出る炎色反応だと思われます。
暫く燃焼させれば無くなります。
バルブ全開でも完全燃焼。
何も問題無く大丈夫ですね。
今回は長くなったので灯油の使用は次回に続く。
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