今回は耐風試験もアリ
前回お披露目となったSOTO ST-330 FUSION。
初回だったので取り敢えず燃焼試験だけやって、あとはヤケド対策にシリコンチューブを被せただけで終わりました。
今回は今までの比較実験で怒涛の性能を誇る、同じCB缶バーナーのST-310と、SOTOのフラッグシップ?であるガソリンバーナーのSOD-372ストームブレイカーと比較してみたいと思います。
ST-310 レギュレーターストーブはノーマルではなく、耐風性能を上げる為の自作風防が装着されているので注意。
えっ?風防外してノーマル状態でやれ?
・・・(* ̄- ̄)・・・
もっともな御意見で候得共、ワイヤリングをやり直すのが超絶メンドイんで却下で御座候。
比較実験はいつもの”500mlの水を沸騰させる時間”を計測。
弩鶴「バーナーは火力だよ!兄貴!」
気温24度 湿度55% 室内
今回の主役、ST-330からスタート。
料理マンガなら負けるパターンね ( ´∀` )
イキナリですが燃焼開始。
比較的静かな燃焼音がします。
待っている間ヒマなのでシリコンチューブで行った耐熱対策を評価。
シリコンチューブをハメていても素手で持てるのは脚の下半分まで、赤線より上は流石に熱くて数秒しか触れません。
ちょっと触ったくらいでは何ともないのでヤケド対策には有効か。
6mmチューブを使えばもう少し耐えられたのかな?
おっ?沸きましたね。
コレくらい完全にボコボコ沸騰するまでの時間を計測しています。
結果は2分32秒。
以前の比較結果から考えても、まぁこんなモンでしょう。
試験後はタップリの流水で冷却。
ケトルはユニフレームの山ケトル700。
薄いアルミ製なので蓄熱の影響は無いと判断しています。
続いて王者ST-310レギュレーターストーブ。
CB缶は満タンで別のモノと交換しています。
コチラは「ゴー!」と勇ましい燃焼音がします。
高火力そうですが、シチュエーションによっては煩いかも。
結果は2分14秒。
沸騰の判断に数秒の誤差はあるでしょうが、凡そ予想通りの結果です。
ST-310の無双ぶりが予想されます。
ココから耐風試験!
今回は小型扇風機を使用して強風状態での計測も行いました。
今まで行った事の無い試験です。
小型扇風機の風力を弱に設定したらバーナー直上の風速は丁度1m/sでした。
ココからスタートしてみます。
ちょっと見にくいですが、炎が向かって右へ流れているのが分かりますか?
一定した風は自然な環境下では吹きませんが、安定した試験環境を作る為なので勘弁してね。
横風以外は先程と同じ条件で加熱開始。
4分17秒と、無風時の1.69倍の時間が掛かりました。
今度はST-310の番です。
風防が赤熱しています。
結果は3分57秒でした。
やはりST-310には敵わないですね。
もっと強風にしてみる
扇風機のパワーを上げて、風速1.5m/sにしてみました。
「たかが1.5m/s」と思うかも知れませんが、バーナーヘッドにピンポイントだと結構な強風となっています。
すると衝撃の結果が!
イキナリ結果から言えば、ST-330では10分経過しても沸騰させる事が出来ませんでした。
マジかYO (;´・ω・)
まぁ85℃位にはなってんじゃね?←適当
炎は風に煽られていますが、燃焼は安定していて評判通りの耐風性です。
しかし、よく見てみると炎とケトルの間に空気の層が出来てしまっています。
コレで熱が伝わらないんですね。
現実にはこんな連続した風は吹かないので、実際の使用ではまた違うんでしょうが思ったより風に弱い?
ST-330は炎自体が優しいというか、勢いが弱いと感じます。
選手交代
ではST-310ではどうでしょう?
この条件下ではST-310も炎を持っていかれてます。
それでも6分32秒で沸騰させるのは流石ですね。
しつこいですが、このST-310は自作風防が付いています。
次の日 気温22度 湿度62%
諸事情により1日遅れでSOD-372 ストームブレイカーさんも参戦。
ストームブレイカーはガスでの運用がゴミ性能良くないのは分かっているので、今回はガソリンのみ。
日付が1日ズレているのであくまで参考タイムですが、結果は大きく変化しないハズ。
当然、他の条件は全て同じ。
まずは無風状態から。
ガソリンバーナーは炎の逞しさが違って見えます。
前日より僅かに条件が悪いにも関わらず、素晴らしいタイムを叩き出しました。
今度は風速1m/s。
正直言って傍目には無風状態と殆ど変わらない燃焼に見えます。
なんと3分を切ってきました。
圧倒的な火力!
風速1.5m/sでやっと僅かに炎が揺らいでます。
「え?風なんか吹いてる?」って感じ。
炎自体が凄く強い感じです。
正直ココまでの差があるとは、恐るべしストームブレイカー。
恐るべきガソリンの熱量。
ガスではゴミ性能とか言ってゴメンね (;´・ω・)
でも実際ガスではゴミなのは変わらないんだケドね。
結果報告(スマホは横にして)
ST-330 (250g) | ST-310 (350g) | SOD-372 (541g) | |
無風 | 2:32 | 2:14 | 1:57 |
風速 1 m/s | 4:17 (1.69↓) | 3:57 (1.77↓) | 2:58 (1.52↓) |
風速 1.5 m/s | 計測不能 | 6:31 (2.92↓) | 3:38 (1.86↓) |
タイムの(カッコ内)は無風時タイムとの対比
SOD-372の重量は本体+ポンプ+700mlボトル
ST-330は無風状態なら良いですが、他のバーナーより風に弱い。
風に対して火が消える、なんて事は無く非常に安定して燃焼するので新型のバーナーヘッド自体は風に強いんでしょうが、炎自体の強さというか勢いが弱いんですよ。
燃焼音を小さくする為にガス圧を落して、代わりにガスの噴出口の数を増やした様な設計なのか?
ガス穴1つ1つの圧が低く、ある風速以上から炎が負ける、って印象です。
ST-310のヘッドは本来もっと風に弱い。
あくまで耐風カスタムされたモノなので注意ですが、今回も新型バーナーを食ってしまう高性能を示しちゃったワケです。
他のガスバーナーに負けているのは350gという重さくらいでしょう。
2倍近い金額を払ったST-330をどーしてくれるのよ?、と嬉しいのか悲しいのか微妙な心境を暴露してみる。
ガス運用ではそのゴミ性能を遺憾なく発揮しちゃったSOD-372 ストームブレイカー。
一転、ガソリン運用では他の追随を許さない、圧倒的な性能を発揮し面目躍如。
単純な火力だけではなく、多少の風でも全く揺るがない力強い燃焼が素晴らしい。
またプレヒート不要とか簡単な火力調整とか、ガソリンバーナーとしての操作のし易さもポイントが高い。
何か以前やったストームブレイカーの記事と違って今回はベタ褒めですな。
運用方法
CB缶ガスバーナーなら通常はST-310 レギュレーターストーブ。
煮込みやスモーク等、CB缶への蓄熱が心配になる使用ならST-330 FUSION、と用途によって使い分ける事で砂井脳内シナプスも一致しました。
それにしてもST-310はスゴイ。
コイツを凌駕するシングルバーナーは開発されるのか?
最後に燃焼直後に持つと熱い部分のシリコンチューブを切断。
シリコンチューブがあると思わず安心して触っちゃうでしょう?
え?そんな事ない?
とりあえず持っても大丈夫な下半分までにしました。
例のセリアのケースに入れてお片付け終了。
暫くタンスの肥やしと化すのですよ。
コメントする