ヘッドライト以外のライトです

確実にレストアが進んでいる89年式NSR50です。
砂井さんの後輩が激安で売ってくれたんですが、買ったのは砂井兄なのです。
実家住まいの兄の元に運ぶのは年末なので、それまで修理費はアッチ持ちでレストアしながら乗らせて貰う契約なのですよ。
レストアは順調に進み、あと交換が必要なのはタイヤとライト類くらいになりました。
砂「灯火類はLED化しない?」
兄「夜は走らないから不要 」
とバッサリ (;´・ω・)
そう言えばヤツは攻める事しか頭にない頭バリバリ伝説野郎だったのをすぽーんと忘れていました。
50代になっても未だに峠をR1Zで攻め続け、数年前には道路に埋め込まれたキャットアイを踏んで転倒。
鎖骨を折るケガをしながらも
兄「退院したらあそこのキャットアイ全部掘ってくるわ」
と反省の色はミジンコ程度すら感じられず、懲りずにまた走り続ける筋金入りでした。

話を戻して古い年式&白熱電球のNSR50の灯火は暗くて点滅もモッサリもさもさ。
砂井さんは発熱球の暖色がキライなので何とかしたいんですが、信頼性のあるLEDヘッドライトは高価です。
なのでせめてウインカーだけでも (;´・ω・)と自費で対策する事にしました。
しかしウインカーをLED化する場合、2つのトラブルが出る事があります。
トラブル①ハイフラッシュ化する
トラブル②ハザード化する(モデルもある)
この辺を解決しながら作業していきます。
LED対応の中華ICリレー

ますはIC式のウインカーリレーです。
アナログ式ウインカーリレーでは、ウインカー球をLEDにすると点滅が速くなる、いわゆるハイフラッシュ状態になります。
LEDの消費電力が低いため起こる現象で、コレはIC式のウインカーリレーで簡単に解決可能。
国産のLED対応リレーは結構なお値段ですが、ここは激安な中華製を選択。
1個750円なのに2個で999円とか色々価格設定がバグっているので、予備にと2個セットのモノを購入しました。
リレー交換

NSR50のウインカーリレーはシート後方にあります。

リレーはゴムバンドで固定されているだけなので、すぽんと引っこ抜けば簡単に外れます。
L字2ピンの一般的なモデルですね。

この中華製リレーにはウインカーの点滅速度を毎分50回~毎分200回に調整するネジが付いています。
しかし日本の道路運送車両法では「毎分60回以上120回以下の一定の周期で点滅するものであること」と定められているので、この範囲内に収めましょう。

純正リレーと端子の向きが違いますが、取り付けには全く問題ありません。

中華リレー交換後の作動チェック。
問題無く作動しています。
これでLED化によるハイフラッシュ対策は完了です。
前後片方だけなら無対策でLED化しても大丈夫

とりあえずフロントウインカーだけLEDバルブに交換します。
ココで「前後どちらか一方だけ」というのがポイントで、白熱電球が残された状態の回路ならこの後発生するハザード化が起こりません。
LEDバルブは前回も使用して信頼性のあるぶーぶーマテリアル製を選択しました。
NSR50のウインカー球はS25ピン角180°(ba15s)アンバーです。
ココは何も考えずフロントウインカーを交換します。
カバーは⊕ドライバーで簡単に外れます。
年式によって違うかもですが、89年式NSR50のウインカーはシングルS25ピン角180°(ba15s)アンバーですよ。
サクッと交換して作動チェック。
正常動作しています。
実は前後どちらか一方だけのLED化ならハイフラもハザード化もしないので、特に対策しなくても問題無く点滅します。
LEDと白熱電球を比較すると、LEDバルブは最大輝度に達する時間が短いので実際に肉眼で見ると数値以上に明るく見えます。
問題はココから

左右ウインカーの作動状態を1個のインジケーター灯(パイロットランプ)で表示するタイプは、全ウインカーをLED化すると問題が発生します。
ハザード化の再現試験

試しにリアのウインカーバルブもLEDに交換してみます。

すると何という事でしょう?
全てのウインカーが点灯する、いわゆるハザード状態になります。
コレはナゼか?

実はコレ、ウインカーインジケーター灯を1灯で共用している配線のバイクでは、左右どちらか一方のウインカーが点灯しても、実は消灯しているウインカー側にも電気が流れる構造だから起こる現象です。
消費電力の大きい発熱電球では電圧が足りず点灯しないんですが、省電力でも点灯するLEDバルブでは点灯するのでハザード化しちゃうんですね。

解決には整流ダイオードを配線に割り込ませる必要があります。
整流ダイオードは電気を一方通行にして逆流しないようにする電子部品です。
ウインカー配線にコイツを割り込ませる事で、消灯側のウインカーに電気が流れないようにするワケですよ。
詳しくは下記の記事で説明しているので興味があれば見てやってください。

整流ダイオードは単体購入して自作しても良いくらい単純なモノですが、面倒なら通販で探せば色んなメーカーから似たような製品が沢山見つかります。
えぇ、砂井さんもメンドいんでポチッとしました。

老眼が進行した目には厳しい説明書とにらめっこです。
解読には電子顕微鏡が必要ですね。
でもまぁ砂井さんは電気に疎いのでニャンコ大先生に作業丸投げオーダーします。
ギボシ端子付けるのとかダルいし (;´・ω・)
猫ガレージで配線加工

早速いつもの猫ガレージに持ち込みました。
段々とモノが無限増殖しているので作業スペースを圧迫しています。
だからと言って「整理整頓しろ」なんて注文は、北の将軍様に核武装を解除させるより困難な事でしょう。

早速作業開始です。
まずは現状の把握ですね。

メーター回りをさくさくと分解します。

タコメーター裏に刺さっている各ランプ類を抜き出しました。
真ん中のウインカーパイロットランプの配線に加工を施します。

保護テープを解いてウインカーパイロットランプの配線を剥き出しにしたら、適当な長さの場所でカットします。
お互いにギボシ端子を付けられる程度の長さですよ。

配線係りの猫先生がシコシコ作業中。

左右ウインカーからパイロットランプへ行く2本の配線(水橙)に整流ダイオード(青)を割り込ませました。
本来パイロットランプへは2本とも配線される設計ですが、この状態では1本だけになっていますね。

追加したダイオード配線(青)をパイロットランプに接続し、もう片方にはアース(GND)配線(黒)を追加して完了。
ノーマル状態では例えば右ウインカーを作動させると右ウインカー側から電流が流れてパイロットランプを点灯させ、その後は左ウインカー側に戻る配線でした。
整流ダイオードを追加した配線では、同じように右ウインカーを作動させると右ウインカー側から電流が流れてパイロットランプを点灯させ、その後アースに戻る事になり左ウインカー側には流れません。

とりあえずパイロットランプの点灯試験。
全部点灯する事を確認しました。

追加されたアースだけしっかり取り付けたら、メーター回りを元に戻していきます。
最終確認

全ウインカーバルブをLEDに交換。
作動試験をすると何という事でしょう?
正常に片方だけ点滅しています。

カバーを戻しても輝度に問題なし。
あのやる気の無いほわんほわんした点滅は無くなり、ピカッ!ピカッ!っとメリハリのある点滅になりました。

天気の良い日中でもよく見える十分な輝度ですね。
これでヘッドライト以外の全ランプ類をLED化しました。



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