古いネイキッドバイクの重いクラッチをラジアル化して軽い操作に

XJR1300ってクラッチとスロットルが重いんですよね

XJR1300のクラッチは国産バイクの中でも重い方なんだそうです。

実際走っていると確かに重い。

そりゃもうクッソ重いですわ (;´・ω・)

1~2時間くらいはなんでもないですが、1日走ると確実にキツい。
地味に次の日まで残るダメージです。

でも実はスロットルの重さの方が辛いんですが、それは対処が難しいので今回は出来る方を優先です。


「ラジアル化で軽くなる」という誤解

XJR1300に採用されている油圧クラッチは、ピストン径を変更する事で作動特性を変更する事が可能です。

今回はピストン径の変更と同時にラジアル化するワケですが、ラジアルマスタークラッチは油圧ピストンが縦になる事によるフィーリングの変化があるだけで、本来クラッチ操作の重さとは無関係

肝心なのはレバー比(テコの原理)ピストン径(パスカルの原理)なのです。


ラジアルマスタークラッチはニッシン製

肝心のラジアルマスターはブレンボとか有名ですが、アレは超絶セレブ価格なので懐に優しい国産ニッシン製を選択。

クラッチの操作力を変更するだけなら、横置きピストンのままピストン径を変えるだけでも良いのですが、見た目と感触の変化も期待してラジアルマスターにしました。

ラジアルピストン径19mmです。


一応純正マスター径を載せときますね。


油圧クラッチはパスカルの原理

純正横置きピストン径は5/8インチなので、つまり直径15.875mm。
操作力を軽くするには入力側のピストン径を小さくする必要があります。

ニッシン製ブレーキマスターのピストン径は純正より大きい19mmですが、レバー比の違いからラジアルマスターのピストン径19mmは、純正ピストン比の14mmに相当します。

純正ピストン径5/8インチ≒15.9mmなので円の面積は↓
7.95×7.95×3.14≒198.5㎟
19mmピストンのラジアルマスターは横置きピストン換算で14mm相当なので↓
7×7×3.14≒153.9㎟

なので面積比は
198.5:153.9=100:x
x=77.5%
となります。

単純計算ですがクラッチ操作に必要な力は、純正比にして22.5%軽くなる計算ですね。
注意点として操作量も22.5%増えるという事になります。


問題点と今回知った衝撃の事実

実はこのラジアルマスタークラッチはXJR1300の購入と同時に入手していたんですが、交換の手間とある問題があったので今まで躊躇していたんですよ。

そのある問題とは、XJR1300とミラーの取付け位置が違う事。
純正よりミラーの取付け位置が後方にズレるんですね。

しかしコレもXJR1300のヒミツが明らかになった事で事態は鎮静化したのです。
実はXJR1300って、ノーマル状態で左右のミラー位置が違う、という衝撃の事実が発覚したのですよ。

写真の黄矢印が純正ミラー位置、赤〇がニッシン製レバーのミラー位置。
純正でズレてるなら今更逆方向にズレたって大した問題じゃないでしょ?って話ですわ。


ブレーキフルードはYAMAHA純正BF-4です。

規格が同じBF-4であればどのメーカーでも問題ありません。


純正クラッチの状態を記録

センタースタンドでリアタイヤを浮かせた状態にしてエンジンを始動.
ギアを1速に入れてリアタイヤが回転を始めるクラッチレバー位置を計測します。

約35mmくらいで回転しました。


アナログなバネ秤なのでかなり曖昧ですが、クラッチレバー保持に約7kg必要でした。


交換開始

まずクラッチレリーズの状態を確認しす。

クラッチレバーの交換にレリーズを外す必要はありませんが、XJR1300の持病としてレリーズからのフルード漏れがあるので確認したかったんですよ。


ω )ジーーー

ヒストン外周に若干のサビが見える気がしますが大丈夫そう?


でもプッシュロッドが押す部分からオイルが滲んでいるよーな?

ここのシールってエンジン割らなくても交換出来たっけ?

今回は見なかった事にしよう。


クラッチマスターの交換開始

まず17mmスパナでミラーを外します。

YAMAHAバイクの右ミラーは逆ネジですが、左はフツーの正ネジです。


次に古いフルードを抜くんですが、ブレーキフルードは塗装面を侵すので注意です。

今回はペーパーウエスで養生しました。


リザーバーのフタを開けます。

フルードは結構汚れてますね。


今回ニャンコ大先生の新兵器、負圧ブリーダーが登場しました。

エアを使って負圧でフルードを一気に抜く事が可能なポンプです。

当然コンプレッサーを持っていないと使えませんが、コレでエア抜きも時短が可能だとか。


まさかの事態w

ナゼいきなり洗車しているのか?

ソレは
砂「あ、そー言えばクラッチレリーズを取付けないと」
猫「ハイよ(ごりごり)」
?「ぴゅー!」

レリーズを外したらピストンが少し抜け出ていたんですが、別に問題無いと思いそのまま取付け。
しかしリザーバーのフタが開いていたので、逆流したフルードが盛大に吹き出したのです。

砂「フルードってあんなに飛ぶんですね (;´・ω・)」
猫「噴水みたいだったね (;´・ω・)」

ブレーキフルードはグリコール系。
そのままだと塗装を侵食しちゃいますが、水溶性なので大量の水で中和可能。
ってな理由で水洗いしていたワケでゴワス。


気を取り直して

ぶしゅー!

あっという間に古いフルードが抜けていきます。

負圧ブリーダーってスゲー (;゚Д゚)


フルードが抜けたらバンジョーを外します。

純正はバンジョーが正面を向いていますね。


これでやっとクラッチレバーを外せます。
ハンドルにクランプするだけなのでサクッと交換。

このフランジボルトのトルクは10N・mです。


イキナリ取付けられているニッシン製ラジアルクラッチです。

ブラック×シルバーと敢えて純正っぽいカラーを選択。

これは好みの問題ですが、砂井さんは如何にも「カスタムしてますよ?」ってアピールは好きではありません。
パっと見は純正風なのが好き ( ´∀` )


ラジアルクラッチはそのポンプの向きから、バンジョーを取付ける位置が違います。
正面だった純正の位置から下向きに変わっていますね。

本来バンジョーの向きを変更する必要があるんですが、今回は自己責任でホースを捻じって取付けました。

早い段階で変換アダプターを使用するか、バンジョーの付け替えを行う予定です。


スチール製バンジョーボルトのトルクは25~30N・mです。


付属のステーを使い、リザーバータンクをミラーと共締めで固定します。

・・・(* ̄- ̄)・・・

(。´・ω・)ん?


今回知った衝撃の事実2

右の純正ブレーキレバーのミラーホルダーは地面に対して垂直ですが、


なんとニッシン製ラジアルクラッチのミラーホルダーはブレーキレバー作動面に対して垂直でした。

つまり前方に傾いて付きます (;´・ω・)マジカ


つまりこの状態では左右でミラー付け根の角度が違います。


しかしXJR1300の純正ミラーには角度調整機構?っていうか、ナットを緩めると支柱部分が回る構造です。

なのでミラーホルダーがこの状態でも正常な取付け角度に調整は可能。


ミラーの位置は大して変わらないので、実際に違和感は少ない。

・・・(* ̄- ̄)・・・

まぁ気分?

気になるなら右のブレーキもニッシン製ラジアルにする必要がありますね。


話はクラッチに戻る

あ、クラッチレリーズに注油するのを忘れてました。

シール部にはオイルを、プッシュロッドとの接触面にはグリスをたっぷり塗ります。


クラッチレリーズのトルクは10N・mです。


エア抜き

機械的な取付けは完了しました。
次はリザーバーにフルードを入れエア抜きです。

繰り返しますがフルードが漏れないように注意しましょう。
漏らしちゃったら大量の水でジャブジャブです。


例の負圧ブリーダーをセットします。


負「ぶしゅ~」

負圧ブリーダーを作動させるとフルードが引き込まれていきます。

リザーバーを空にしないように継ぎ足しながらぶしゅ~ ( ´∀` )


クラッチレバーもニギニギして感触をチェック。

まだ柔らかいね。


ラジアルポンプのレバーではポンプ側のブリードニップルからもエア抜きが必要です。


初回だけ少量の気泡がありましたが、もうエアは無い感じです。


細かい微調整

リザーバータンクが水平じゃないので修正。

キズ付き防止の為に適当なサイズのボルトナットを取付け、バイスグリップでおんどりゃ~ ヽ(`Д´#)ノ

アルミ製なのでふにゃっと簡単に曲がりました。


だいたい水平?

そんなに正確じゃなくても大丈夫です。


ラジアルクラッチの作動状態を確認

純正クラッチの時と同様にセンタースタンドでリアタイヤを浮かせた状態にし、リアタイヤが回転を始めるレバー位置を計測。

約12mmくらいで回転しました。
ギリギリですが駆動力はキッチリ切れます。

操作力が軽くなってもストロークも2割ほど増えてしまいますが、最悪クラッチが切れない事も予想されたので良かったですわ~ (;´Д`)

あ、レバー位置は純正と同じ「3」にセットしています。
当然レバーが遠くなる1~2なら余裕、逆に4~5ならクラッチが最後まで切れずタイヤの空転が止まらなくなります。


クラッチレバーの保持には約5.3kg必要でした。

純正が7kgだったのでざっくり約25%減なのはほぼ計算通りの結果です。


クラッチスイッチは暫定処置

ニッシン製クラッチスイッチのコネクターはYAMAHA純正とは形状が違うため、そのままでは接続する事は出来ません。

コネクターを切断したままだとクラッチのON/OFFとは無関係に、ギアがN(ニュートラル)に入っていないとセルが回らなくなります。

なので短絡させて暫定処置しました。
これだと先ほどの状態とは逆にギアが入っている状態でもクラッチを握らずにセルが回ります。
利便性は上がりますが危険性も上がります。

砂井さんはエンジン始動前に必ずNランプを確認するorクラッチを握って始動するので実質的に問題ありませんが、端子を入手したら早い段階で修正しようと思います。


(2024.5.25追記)

修正しました

コネクター端子を入手したのでスイッチ配線を自作しました。
自作したのはニャンコ大先生ですが。

車体側の端子は幅2.8mmの110型平型端子、ニッシンクラッチ側はソレより大きくて4.8mmの187型平型端子

各平型端子のオスメスを合わせ、適当な太さの配線と繋いで熱収縮チューブで仕上げた変換ケーブルです。
コネクターを入れ替えるより簡単だし、なにより変換ケーブルを抜くだけで純正状態に戻せるのがポイントなのです。


単に短絡させるだけのスイッチなので極性も関係なし。

コレで安全装置も純正と同じ状態に戻りました。


試走!

おおっ!!(;゚Д゚)マジカ!

スッゲー乗り易い!

単にクラッチレバーが軽くなっただけでなく半クラッチ制御が容易になりました。
純正クラッチも半クラッチ範囲が狭いワケではなかったですが、レバーが重くて繊細な操作がし難かったのだと予想。

特に右左折時の発進の際、半クラッチ状態を維持しながら曲がる操作が非常にし易い。
コレは満足です。

トラブって暫く乗れなくなったらどうしよう?とか心配しましたが、一連の手間を考慮しても大変満足のいく結果となりました。


あとクラッチが軽くなったので短時間の赤信号ならクラッチレバーを握りっぱなしでイケます。
ノーマルの激重クラッチの時は停止直前にニュートラル入れるのがデフォでしたからね。

クラッチレバーの交換はちょっと勇気が要りましたが、納得のいく結果で満足です。

2 Comments

    • 萩ちゃんさん、コメントありがとうございます。
      このケーブルは猫先生宅にあった汎用平型端子セットを流用したので型番までは正確には分かりません (;´・ω・)
      現物を外して計測したところ、ニッシンクラッチ側平型端子は187型(4.8mm)、車体側は110型(2.8mm)だと思います。

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