6年放置された36年前の原付バイク

まだ数日かけてタンクの錆落としをしている間の話になりますが、引き摺り状態のフロントブレーキを修理してもらおうとハイエースに車載。
ブレーキは下手すると命に係わる重要なパーツなので、最初は経験豊富な人にお願いして教えてもらう事になりました。

前回車載した時、ラッシングベルトをヒールガードに巻いて変形させてしまったので、今度はヘンなトコにベルトをかけて曲げないように注意です (;´・ω・)
NSR50は車重87kgと激軽なので車載がラクですね。
小さいし ( ´∀` )
245kgのXJR1300ではこうはいかないでしょう。
猫ガレージに到着

猫「コレだよ、コレ」
と到着するなり自慢げにブレ―キ整備用の工具を見せつけるのは、イカれメカニックのニャンコ大先生。
他に頼る人が居ない砂井さんの貧弱な人脈が悔やまれます (;´Д`)
ブレーキキャリパーのオーバーホール

今回はキャリパーを分解清掃します。
予備のシール類もあるんですが、このNSR50を売ってくれたブッチィィィ君が
ブ「キャリパーとマスターは長期間保管する前にシール類を交換しています」
と言っていたので分解清掃だけで直ると予想。
まずは外して分解し、内部の状態を確認します。
早速キャリパーブラケットボルトを12mmソケットで取外します。

引き摺っているブレーキはパッドがディスクを挟んだままなので、人力だと中々外れません (;´Д`)
プラハンでコンコン叩いてズラしていきます。

外れました。
フローティング式の片持ち2POTキャリパーですね。

プレーキパッドを固定しているパッドピンを抜きますが、コレがまた超絶的なトルクがかかっています。
大の大人2人がかりで「ばきん!!」って緩めました。
コイツのトルクは約18N・mです。
プレーキパッドはボルトに対してスラスト方向に荷重がかかるので、パッドピン自体には高トルクは必要ありません。
たまにネジを見ると渾身の力で締めちゃう類の人種が居ますよね。

あー手が痛い (;´・ω・)
だから作業時は手袋しろってあれほど・・・

ブレーキパッドを外します。

パッドの残量は十分残っていますが、引き摺りの原因が無いか表面を観察します。
砂「うん!全然分からん!( ´∀` )」
再使用が決定した瞬間です。

片持ちのフローティング式なのでバックプレートには浮動機構があります。
この部分もグリスアップの為に取外し。
ピストン周辺は謎のカピカピで結構汚れていました。

猫「ブレーキキャリパーは中性洗剤で洗うのが基本」
食器用洗剤を入れたぬるま湯を用意しました。

シール類を傷付けないように柔らかいブラシでゴシゴシ。
結構落ちるモンですね。
洗ってんのは猫先生なんですケドね。

いよいよ例のブレ―キ整備専用工具の出番です。
なるほど、ブレーキピストンを内側から固定して動かす構造なんですね。
ピストンの外側はシールと触れながら摺動するので、工具で掴むと傷が付いてシールをダメにしちゃいます。
なので内側から掴むワケか。
・・・(* ̄- ̄)・・・
ひょっとしてピストンの内側が中空構造なのはこの工具で掴む為なんですか?
グリグリ揉みだしすると上側のピストンが固着していました。
猫「コレがブレーキ引き擦りの原因です」
やはり6年放置は伊達じゃないですね。

ピストンは暫くグリグリしてたらスムーズに動くようになりました。
ブレーキレバーを操作してピストンを押し出し、動作確認とピストン表面の点検をします。
ピストンの外側表面はそんなにキレイじゃないケド、作動点検するとシールは生きていたのでそのまま使用します。

猫「この間買った新兵器を試したい」
砂「またムダなモン買ったんですか?(;´・ω・)」
そう言って持ってきたのはデカい超音波洗浄機でした。
加熱機構付きだそうです。

超音波って言ってもざっくり言えば単なる細かい振動でしょ?
何で油汚れまで落ちるんだろーか?(;´・ω・)

猫先生が超音波で遊んでいる間にカウルでも洗っておきます。
時間の有効活用です。
20分後

猫「スッゲー綺麗になってる!」
砂「パーツクリーナーで洗った方が早いのでは?」
本人は満足げなので良しとします。

さて、ピストンの固着修正と洗浄も終わったのでそろそろ組み立てますよ。
バックプレートピンの摺動部の古いグリスを拭き取ります。

通常この部分にはシリコングリスを塗るらしいですが、今回は猫先生の持ってるグリスで最高性能のベルハンマーメタルを使用してもらいました。

ぬりぬり~
コレって万が一ブレーキパッドに付いたら死ぬヤツですね?(;´・ω・)

洗浄の終わったパーツ類も準備完了。

まずは忘れやすいパッドスプリングを向きに注意して取り付けます。

ブレーキパッドを取り付けて~

ブレーキパッドを固定するパッドピンを取り付けて1.8kg・m(約18N・m)のトルクで締付けます。

バックプレートのピン部分を先ほどグリスアップした穴に挿入。

ピンの防錆にブーツを被せるのを忘れないように。

後はキャリパーを2.7kg・m(約27N・m)で締めます。

最後にブレーキバーをニギニギしてピストンを押し付け、不要なレバーの遊びを取ります。

前後にコロコロ転がしてもブレーキの引き摺りはありません。
完全に解消しましたね ( ´∀` )
ちょっとブレーキの効きが弱く感じますが、試走できるようになるまで要観察です。
まだナンバー取ってないんですよ (;´・ω・)
洗浄

高圧洗浄機があるのでついでに洗車しちゃいましょう。
インテークだけマスキンして水の侵入を防止したらブシャー!!( ´∀` )

中性洗剤でゴシゴシ~
洗車は整備の基本です。
気になる極太マフラーの真実

ここから番外編です。
当初から気になっていた、まるで400ccの4ストのような極太マフラーを外してみますよ。
本来ならこんな太いチャンバーだとパワー出ないハズですが。

なにこのスプリング?
スッゲー硬い、ってか強いんですケド?

固定用スプリングが掛かるステー部分が縮め方向に削れているのを発見。
アルミ製のステーに鬼の様なスプリングテンションじゃ仕方ないよね~ (;´・ω・)

サイレンサー部分を外すと疑惑のチャンバー出口がコンニチワ。
・・・(* ̄- ̄)・・・
確かに中は細い。
2ストチャンバーのセオリーは維持しながら、ビジュアルだけ極太マフラーにしたんですね。

昔の小さいバイクは2ストばかりだったので、こんな4ストルックな極太マフラーで個性を出したんですかね?
今は2ストバイクは絶滅危惧種だし、2ストの象徴ともいえる細いチャンバーと小さいサイレンサーの方が目立ってカッコイイと思うんですが。
・・・(* ̄- ̄)・・・
チャンバー変えるか。
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