ドライブスプロケットの歯数変更によるメリット、デメリットを検証

XJR1300のドライブスプロケットを17T→18Tにアップした後日談

先日チェーン交換をした際、ドライブスプロケットも摩耗していたので交換したんですが、燃費UP⤴を狙って1T大きくしたんですよ。

でも当然良い事だけじゃないだろーし、色々検証してみました。

予測していたメリット
①回転数の低下による燃費の向上

予測していたデメリット
②速度計に誤差が出る
③発進時にエンストしやすい?
④加速が鈍る?
(⑤距離計にも誤差が出る)←後から判明しました

・・・(* ̄- ̄)・・・

なんかデメリットの方が多くね?(;´・ω・)キノセイ?

片伸びしたチェーンと一緒にFスプロケも交換してみる


②速度計の誤差は?

順不同になりますが、いろいろ訳アリでしたのでデメリットから紹介します。

まずは基本を知る。
ノーマルXJR1300のギア比を計算します。
ドライブスプロケット:17T
ドリブンスプロケット:38T
最終減速比:38÷17=2.24

次にFスプロケット交換後は
ドライブスプロケット:18T
ドリブンスプロケット:38T
最終減速比:38÷18=2.11

なので18T化によって約6%ハイギアード化する計算になります。

ここで注意が必要なのは速度計もズレるって事。


XJR1300はドライブスプロケットの回転数、つまりリアホイール側から速度を演算しています。
なので各スプロケットのギア比を変えるとスピードも狂ってしまうワケです。

当然フロントホイール側にセンサーのあるバイクならズレません。


どれくらいズレるのか?

実はスプロケット交換前に、自転車用の高級サイクルコンピューター「Gamin Edge 830」で速度を測っていました。
Edge 830はGPSから速度を表示できます。

だたし注意点がありまして、速度計測がGPSのみだと速度変化に対する応答速度が遅いんですよね。
具体的には同じ速度を10秒くらい保持しないと正確な速度が出ません。
コレが意外に難しくて何度も測定しました (;´・ω・)


ドライブスプロケット17T(純正)

コレは自動車でも同様なんですが、実は純正の速度計には誤差があって、しかも必ず実測値より遅く表示する方へズレています。
コレはメーカー意図的に行っているモノで、例えば「速度計が60km/hだったのに実際は65km/hで警察に検挙された!」なんて事故が絶対起きないようになっています。

今までの経験上5%以上は遅く表示されている印象ですね。

17Tのノーマルスプロケットでの時速60km走行時のデータです。

速度計 :60km/h
回転数 :2150rpm
GPS計測:56.7km/h
誤差  :-5.8%


同じく100km走行時のデータ。

速度計 :100km/h
回転数 :4速だったのでノーカン
GPS計測:93.8km/h
誤差  :-6.2%

やはり約6%前後遅く表示されています。
砂井さん所有の自動車での検証も同程度の誤差を確認しました。


ドライブスプロケット18Tでは?

んでもって肝心の18T化した後です。

速度計 :60km/h
回転数 :2100rpm
GPS計測:59.7km/h
誤差  :-0.5%


速度計 :100km/h
回転数 :3800rpm
GPS計測:99.2km/h
誤差  :-0.8%

表にしてみる↓

40km/h表示 60km/h表示 80km/h表示 100km/h表示
17T 37.6km/h 56.7km/h
(2150rpm)
75.3km/h
(2950rpm)
93.8km/h
(多分3900rpm)
18T 39.6km/h 59.7km/h
(2100rpm)
79.7km/h
(3000rpm)
99.2km/h
(3800rpm)

こうして見ると18Tを使用したら丁度誤差の分を補完して、大体実測値になる計算ですね。

60km/hで走ってたらほぼ60km/hって事ですが、オーバーはしていないので車検は大丈夫だと思います。


③発進時にエンストしやすい?

実は一番懸念していたのは発進時のトルク低下によるエンストでした。

が、コレが全くの取り越し苦労。
正直言って全く変化を感じません。

フツーに発進出来ます ( ´∀` )

坂道でもフツーに発進出来ます。
排気量1250ccを誇るXJR1300ではトルクは売るほどあるので、1速みたいな低速ギアならトルク減少は無視できる範囲で全く問題ありませんね。


④加速が鈍る?

流石に5速1,800回転からの加速は鈍くなった気がします。

でもギアを1つ下げれば良い訳で、実質的に問題無い範囲ですね。
ギア比を変えた直後に注視して乗っていて気が付くレベルなので直ぐに慣れると思います。

(注:2週間くらい乗っていたら全く違和感が無くなりました)


燃費計算をしたら発覚した新たなる問題

いよいよ今回の歯数変更で唯一メリットとなる燃費性能の検証です。
ある程度の距離を走って燃費を満タン法で算出しました。
今までは街乗り15km/ℓ、ワインディングのみなら19km/ℓ程度で平均16~18km/ℓくらい。

最も良い値でも19.8km/ℓと、今まで20km/ℓを超えた事はありません。

今回はホームコースの道の駅瀬名まで3往復。
町中を抜ければ信号も少なく、今までなら18km/ℓくらいは出ていました。

さーて、どれくらいかなー?( ´∀` )

15.8km/ℓ?

 

 

?(。´・ω・)は?

 

 

15.8km/ℓって、燃費が良くなるどころか悪化してないかい?

・・・(* ̄- ̄)・・・

いや待て冷静に考えろ!
いくら何でもこんなに燃費が悪化するワケがない。
何か気が付いてない事があるはずだ!!(`・ω・´)


⑤今気が付いた距離計の誤差

冷静になって改めて考えたら世の真理に気が付きました。

XJR1300は速度データをドライブスプロケットの回転数から演算しています。
フロントホイールには何もセンサー類が無いワケです。

当然距離データもドライブスプロケットの回転数から演算しているんですね。
なのでギア比が変わったら距離演算にも誤差が出てしまうので修正が必要です。

でもどーやって修正しよ?(;´・ω・)


もう一度サイクルコンピューターの出番です

ここでまたGamin Edge 830さんにご登場願いました。

彼はGPS内臓なので距離は当然、マップ表示も出来ちゃいます。


またまた暫く走り続けます。

当然早朝なのですよ~


Gamin Edge 830では同社製アプリで様々なデータを解析する事が可能。

今回は距離データがあれば良い訳ですが、今までの経験からその精度は低くないハズ。


3回走った距離を合計するとGPSでは249.48kmでした。
TRIPは241.5km表示なので約3.3%の誤差が出る計算です。

・・・(* ̄- ̄)・・・

しかし3.3%ですか?(。´・ω・)?

てっきりコレも6%前後になると思ってたのに。


①今度こそ燃費計算してみる

ちょっと距離が進んでいるのはガソリンスタンドまでの往復分が加算されてるだけなので気にしない。

んで計算すると17.1km/ℓです。

 

 

?(。´・ω・)は?

 

 

大して変わってなくね?
ちょっとだけ回して走った区間も20km程度はありますが、コレはちょっとね (;´・ω・)

 

マジですかー?(;´・ω・)

絶対燃費UPすると思ってたのにな~

 

このドリブンスプロケット18T化、もっと燃費は向上する予想だったんですが結果は無慈悲に大した変化なし。
コレは完全に予想外だったので精神的ダメージはクッソデカい。

やっぱ距離の測定方法が間違ってるのかな~?
でもソレの検証は難しいしな~ (;´・ω・)

1~4速の各ギアでは最終減速比が高くなっても、同じ加速パフォーマンスを求めるなら低いギアを使用する割合が増えるので燃費の向上は見込めません。
なのでギア比だけで燃費向上を狙う場合、当然エンジン自体の燃費性能は変わらないので如何に5速で走る距離を長くできるか?がキモになります。
そうすると自動車専用道路や高速道路でないと変化が少ないのかな?

少なくとも今のところ、速度計や距離計の誤差で精神的にモヤモヤするデメリットを相殺できる明確なメリットはありませんね。
何か距離の計算が間違っている可能性はありますが、その検証は困難です。

まぁ何ですか、唯一のメリットだった燃費の向上が見込めない以上、このまま18Tを使用する意味はありません。

というワケで元に戻そーかな~?(;´Д`)


(2025.9.12追記)

検証の鬼じゃ!鬼がおる!!

どうしても理由が気になってウッカリ発狂しちゃったので、再度チェーンを2コマ切断して純正の110リンクに。
んでドリブンスプロケットを17Tに戻しました

検証の為だけにココまでするか (;´・ω・)ワレナガラ


駆動系が純正状態で距離の誤差を測定。

すると何という事でしょう?

GPSでは75km表示なのに、TRIPは77.1km表示。
TRIP表示が少し違うのは0.7kmから計測開始したので0.7を引いた数値だからです。

計算するとGPSより約2.8%多く走っていますね。

理由は何となく想像出来ました。


リアタイヤはとっくの昔にスリップサインがコンニチワした状態なんですよね (;´・ω・)

距離はドリブンスプロケットの回転数とタイヤの外径から演算しているます。
タイヤが摩耗して外径が小さくなると、同じ距離を走っても回転数が増えて走行距離が多く表示されるワケですね。

多分コレが原因だと思います。


もう一度燃費を再計算

走行距離は純正状態だと約2.8%多く表示され、ドリブンスプロケットを18Tに変更すると約3.3%短く表示される状態でした。

今まで燃費計算の指標にしていたTRIPのデータで計算すると約6.1%の差がある事になりますね?

 

6.1%、か (* ̄- ̄)

 

やっと計算が合いましたね。

それを踏まえてコイツ↑をTRIP表示基準で再計算すると、

17T
242.2(km)÷14.65(ℓ)≒16.5km/ℓ

18T
257.0(km)÷14.65(ℓ)≒17.5km/ℓ

その差は6%!

やっと計算が合いましたね ( ´∀` )

なのでドリブンスプロケットを18Tに変更した場合、通常通りTRIPから計算した燃費に6%を乗算すると正しい値になる計算ですね。


総括

①回転数の低下による燃費の向上は約6%
(ただし5速ギアで走行時)

②速度計に誤差は6%だが実速度と同じになる
③発進時のエンストは心配なし
④加速は多少鈍るがギアを下げれば事実上問題無し
(一般道では5速ギアだけで走行出来るシチュエーションは減る)
⑤距離計は6%短く表示される

って事になりました。
コレなら18Tでも良いかな~
距離計が少なく表示されるのも、保険とか査定を考慮するとデメリットとは言えないかも。

・・・(* ̄- ̄)・・・

でもまぁ17Tに戻しちゃったしね (;´・ω・)
スプロケットはあるけどチェーン切っちゃたので、また次回のチェーン交換時に18Tに変更してみよーかな?

コメント欄

コメントする

あなたのメールアドレスが公開される事はありません。 頂いたコメントは砂井さんの認証後に公開されます。 ※マークは必須項目です。


*