空冷のXJR1300に禁断の油温計を付ける

世の中には”知らない方が良い事”もあるのにね

均等に並んだ冷却フィンの造形は空冷エンジンの機能美。
眺めてウットリ、磨いてウンザリです。

XJR1300は凄まじい発熱量を持つ大排気量空冷エンジンなので、当然夏は軽く地獄を見ます。

車体がノーマル状態で激しい走りをしないなら油温計など不要、とも聞きますが、今何度なのかやはり気になるので油温計を付けたい。

最大温度もそうですが、冷えた状態からどれくらい温まったのか?も分かるので便利なんですよね。

あと「100℃超えたわ~!」とか言ってハラハラしたいワケです。

ちなみに90ccエンジンに乗せ換えたリトルカブにも付けていますよ。

リトルカブに油温計を追加しました


そんなワケで今回用意したのはお馴染みデイトナのHGテンプメーター。

時計と電圧計を備えたモデルです。

ちょっと気になる口コミもありましたが、古いバイクのトラブルを未然に防ぐためにも電圧計も欲しかったのです。

もっとシンプル機能で小型のモノもあります。
リトルカブに使っているのはコチラ。


温度センサーのネジピッチはR1/8。
各バイクに合わせたフィッティングが必要になります。

XJR1300はM16×1.5Pなのでこのサイズ。
もちろんネジピッチが同じなら他車種にも使用可能。

フィッティングとセンサー部からオイルが漏れる、って話なので予めシールテープを巻いて締め付けました。


イキナリ作業開始

温度センサーはドレンボルト部に付けるバイクもありますが、XJR1300にはオイルパンの右側にサービスホールがあるのでソレを利用します。


エンジン下のオイルパンを覗くと見える、右の17mmボルトはエンジンオイルのドレンボルトです。

中央の8mm6角アレンのボルトが目的のサービスホール。

ハッキリ申し上げまして、このサービスホールが何のために付いているのかは分かりません (;´・ω・)


8mmの6角アレンで渾身の力を込め、「なめんじゃねーぞ!エイドリアーンアタック!」を叩き込みましたが、意外にスルっと呆気なく緩みました。

このボルトはトルクを抜くだけにしておきます。
内部のオイルが出てきちゃうので。

先に緩めたのは「もし固くて緩まなかったらどうしよう?(;´・ω・)」とビビっていたからです。


テンプメーター本体の固定

油温計本体はメーターパネル付近に付ける予定ですが、砂井XJR1300のハンドル回りには既にゴチャゴチャと色々ガジェットが付いています。

開いたスペースといったらバーハンドルの中央くらい。
なのでタナックスの汎用ハンドルマウントを用意しました。

ちょっと剛性不足でフニャフニャしますが最低限の機能は果たします。


取付けベースは僅かにライダー側に向けました。


配線はバッテリーに直接配線する常時電源と、キーON/OFFと連動するACC(アクセサリー電源)から取る仕様ですが、今回は全てACC連動にしました。

こんな怪しいデバイスに常時電源を許可するほど肝っ玉が太くありません。
どーでもイイ話ですが、「肝っ玉が太い」の対義語は「肝っ玉が細い」ではなく、「肝っ玉が小さい」なのは21世紀に残された謎。

話を戻して、常時電源が無いと時計やリミット設定等は毎回リセットされますが別に問題なし。
XJR1300には純正で時計あるし、あくまで電圧が分れば良いのですよ。

必要な人は取説通りに配線しましょう。


本体を取り付ける前に一度通電して恒例の作動点検。

口コミ通り、バックライトが暗過ぎて明るい屋外では液晶表示が見えにくいですね。
外光反射型パネル使うかバックライトをもっと強くして欲しい。

あとコレも事前に分かっていた事ですが、機能の割に本体が馬鹿デカい。

更に表面のフィルム?が傷つきやすい。
ウエスで軽く拭いただけで磨き傷が付く、非常に繊細な作りになっております。

今設計し直したら体積は1/5に出来るね?
絶対出来ます (* ̄- ̄)


正常に作動したので本格的に配線作業を実施。

電源はデイトナのD-UNITから取っています。


コチラがトラブルが発生した状態になります

オイルの流出を可能な限り低減させる為に、2人がかりでバイクを傾けてオイルセンサーを取り付けたフィッティングをサービスホールに取り付けました。

結果から申し上げますと、
●バイクを傾けてもオイルは容赦なく漏れる。
●猫ファクトリーにある21mmの工具が入らない
以上のトラブルが発生しました。

温度センサーとフィッティング部分は締めすぎると簡単に破損する、って前評判からシールテープを巻いた状態で取付けました。
温度センサーを外した状態なら締める事は可能ですが、その間オイルが漏れ放題になるので非推奨。

21mmは深型ソケットしかない猫ファクトリーでは手締めまでしか出来ません。


マイナーサイズの工具を持ってくる

普通の工具の品揃えなら砂井さんも負けていません。

21mmのメガネレンチを取って来ました。

備えあれば嬉しいな ( ´∀` )


んでもってギューっと適当にハンドトルク。

コレのトルクは20N・mですが、トルクレンチが入らないので職人技のハンドトルクです。


実試験

アイドリングでオイルの温度を上げてみます。

大排気量なので簡単に温度が上がりますよ (;´・ω・)

まぁ油温計としては問題なく作動しています。


すると何と言う事でしょう?
オイルが漏れているのを発見してしまいました。

フィッティングを緩めたり増し締めしても漏れは変わらず。

「フィッティングからのオイル漏れ」って口コミは、温度センサー側だけじゃなく、エンジン側もらしいですね。
よく考えたら当たり前か (;´・ω・)


なのでフィッティング側にもシールテープを巻きました。

えっ?オイルですか?

当然この間は垂れ流しですばい ( ´∀` )


翌日

一晩置いても漏れは無し。

取付け作業は完了しました。


翌日に実走行試験

実際走行しても作動不良やオイル漏れは無く一安心。

この日はまだ6月なのに31℃の真夏日。
ヒザから下が熱いですね。

油温計のお陰で、信号待ちでスゴイ勢いで上昇する油温を見ながらハラハラ出来ますよ ( ´∀` )

それにしても液晶画面は見にくいね~ (;´・ω・)


オマケ

トンネル内でやっと普通に見れる明るさです。

「L」表示なのは訳あってセンサー配線を外しているからなので気にしない。

そんなに頻繁に見るモンでもないので別にイイですが、可能ならそろそろアップデートした製品を作って欲しい。

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