エンジン始動を試みるも?

タンクの錆落としとコーティング処理も終わり、ブレーキや各種油脂類を交換したNSR50さん。
いよいよ走行準備に向けて最終調整段階に入ろうかと思います。
タンクを載せて燃料ホースを接続。
キックを踏み込んでいざ始動!

ぱぱーんぱんぱんぱぱん
始動性は悪くないですね、チョークを戻してレスポンスを確認。
ぺぺぺぺぺ━━━━ン・ぱんぱんぱ ぷすん
・・・(* ̄- ̄)・・・
止まりますな (;´・ω・)
その後いろいろ試すもアイドリングが続きません。
検証

短時間ですが検証を行いました。
①チョークを引いてる間は止まらない
②チョークを戻すと数秒で止まる。
③スロットルを1/3以上開けてるとチョークを戻しても止まらない。
以上の結果、キャブのスロージェットが詰まってるんじゃね?という予測が成り立ちました。
つまりキャブレター清掃なのです

購入時にも始動試験はしていましたが、その時はチョークを引いたままの短時間だったのでこの現象には気が付きませんでした。
キャブレターにアクセスするため燃料タンクを外し、更にその下にあるエアクリーナーボックスをハズます。

ちなみにこのNSR50を譲ってくれたブッチィィィがこの車両を手に入れた時、ビッグキャブにファンネル仕様だったそうです。
「長く乗りたいから」と耐久性重視にするため、純正キャブとエアクリーナーボックスを追加したんだそーです。

エアクリーナーボックスが外れればキャブレターを外すのに迷う事はありません。
2個のナットを外せばキャブさんが自由の身になります。

コレは純正キャブって事ですが、同じ50ccでもスロットルバルブがリトルカブの2倍くらいの径なんですケド (;´・ω・)
さすが2ストエンジン。

原付の単気筒キャブなので、多少形状が違っても構造はスーパーカブと同じようなモンでしょう。
整備書も予備パーツもあるので分解清掃しますよ。

まずはお風呂に入りましょう。
結構ガビガビしてたので油分や砂粒みたいな汚れを落とします。

こんなモンか。
さて、分解しますよ。

フロート室をサクッと分解。
ココが一番重要でしょう。

フロート室の下部によく分からん怪しい汚れの物体Xが少量ですが付着しています。
茶色いのは元はガソリンだったモノ、緑のはオイルではないかと予想しますが細部は不明。
スロージェットがこの物体Xを吸ってしまった可能性もありますね。

メインとスロージェットです。
・・・(* ̄- ̄)・・・
なんでこんな黒いの?って思ったんですが、吹き返しのオイルが入った可能性もありますか?
カブ系キャブレターのチョークは空気通路を塞いで燃料を濃くする構造でしたが、このNSR50のキャブレターはチョーク専用の燃料噴射口から燃料を出して濃くする構造なんですね。
渦中のパーツ達

古いバイクの長期保存後のエンジンの不調、と言えば98.78%の確率でキャブレターのジェット類に原因があると、これまでの人類の歴史が証明しています。
今回も容疑者はこの2個で絞っていますが、何でこんなに黒いの?(;´・ω・) 2回目

メインジェットを確認します。
黒く汚れていて番手が確認出来ませんが穴は通っていて問題ないかと。
そもそもですがメインジェットが詰まるって話はあまり聞きませんよね。

続いてスロージェットさんです。
サイドの穴は貫通しているか見難い (;´・ω・)

(。´・ω・)ん?

隊長!犯人を発見しました!
やはりスロージェットが詰まっています。
清掃

目標が分かったのなら躊躇せず総攻撃です。
キャブクリーナーでブシャー!!( ´∀` )
他のパーツも一緒に「汚物は消毒だ~!」状態です。
数時間後

半日くらいキャブクリーナーに漬けこんでパーツクリーナーをぶち込んだんすが、特に詰まり状態に変化なし。
嗚呼無常 (;´・ω・)
あまりにも自信満々に詰まったままのスロージェット容疑者を前に、砂井検事はここで「あれ?ひょっとしてスロージェットって最初から貫通口なんて開いてないんじゃね?」とか、根本的な部分が不安になってきました (;´・ω・)

確認の為リトルカブの調整用スロージェットを観察。
やっぱ穴が開いてますよね。
そりゃそーだよね (;´・ω・)

んでNSR50のスロージェット。
間違いなく詰まってますが、細い針金で物理的にゴリゴリするしかないか?
捨てる神あれば拾う死神あり

いつものニャンコ大先生の猫ガレージにやってきました。
事情を説明したら良いアイテムがあるそうなのですよ。
あ、関係ない話ですが、実際に人が困ってる時に向こうから近づいてくるのは詐欺師か宗教関係だと砂井さんは決めつけています。

ブレーキキャリパー洗浄でも活躍?していた超音波洗浄機です。
分解されたキャブレターを洗浄機に入れ、水と中性洗剤を投入しました。

とりあえず温度80℃、時間30分で設定します。

相変わらず超音波洗浄の原理が分からん (;´・ω・)
正直効果は半信半疑です。

暫く観察しているとキャブの穴から何やらモヤモヤした物体Xがふよよんと出てきました。
キャブのエクトプラズムか?(;´・ω・)

30分経過して一度部品の入ったザルを引き上げます。
結構いろいろな汚れが落ちています。

キレイな水に入れ替えて洗剤も落とします。
もう10分間だけ超音波を浴びてもらおうか。

んでコチラが洗浄を終えたキャブレター様御一行になります。

エアで水分をブシャー!っと飛ばします。

あっ!通った!穴が通ったぞ~!!( ´∀` )ノシ
スロージェットは40番でした。

少し黒ずみが落ちたメインジェットは102番。
純正は108か105のハズなんですが、チャンバー入れて薄くセッティングする事ある?
猫「相性によって薄くする事もあるよ」
前オーナーは調子ヨカッタと言っているし、番手は変えずにこのまま組み上げます。

カブの整備でレベルを上げた砂井さんにとって、この程度(原付)のキャブレターならバッチリです。
構造は簡単ですからね。

チャンバーを組むにあたり一緒に貰ったパーツボックスを漁ったら、まんまキャプ用シールが1セットありました。
サンキューですよブッチィィィ君。

というワケでシール類も新品に交換。

新品シールは押し潰されてないので高さが違います。
溝にハメてもそそり立っていて頼もしい!

コレだけ張りのあるシールなら2次エアーも裸足で逃げて行くでしょう。

シールは全部交換しようと思ったんですが、このシールをハメる場所が分かりません。
整備書とにらめっこです。
あ、あった。

スロットルバルブのココか~。
キャブ内をいくら探しても無いワケです。

オーバーホールを終えたNSR50純正キャブレター。
コレで事象は解決するのか?

サクッと組み上げエンジン始動を待ちます。
雨が降っているので軒下で始動。
気温14℃、チョーク無しですが一発始動でアイドリングも続いています。
完璧に直りましたね。
マフラー音が結構な爆音でして、近所迷惑にならないよう短時間だけの試運転です。
まだナンバーが来ないのでこれ以上の調整は実走しないとダメですね~。
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